人間離れしたブレない生き方!『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』。

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実話って想像を超えた凄い話ばかりで、作り話以上にエンタメだなっていつも思います。

この映画は『ローマの休日』『スパルタカス』他多くの名作を書いた実在の脚本家ダルトン・トランボさんって人の実話。

この人は、まぁ天才なんです。
要するにw

脚本は書けばことごとく傑作で、ハリウッドをたんまりと儲けさせてるw
一方で労働者の権利を訴えたりと社会意識も高い人格者のファミリーマン。
そして自他共に認める共産主義者です。

正直、「共産主義だから何だ」って話なんですが、時は戦後のソ連との緊張関係にある1950年代初頭。
共産主義への風当たりが強くなりだす頃なんです。

タイミング悪い!w

トランボさんとその仲間たちは、ハリウッドの共産主義を調査する団体に目を付けられ、共産党と関わりがあるとみなされてハリウッドから追放されてしまいます。

追放されるとどうなるか?

仕事来ない、食っていけない、離婚に破産、刑務所送り、社会的な抹殺と地獄のような人生が待っています。

トランボさんは共産党との関わりを認めるどころか「不当な人権侵害」だとして断固とした態度を貫きます。
仲間を売ることも拒んだため、侮辱罪に問われ投獄されるトランボさん。

それでもトランボさんは自分の信念、何も間違ったことはしていないという意志を通し続ける。
見た目は普通のオジサンですが、言動がいちいちカッコよかった。

楽な道と険しい道が目の前にあっても、トランボさんは険しい道を迷わず選びました。
なぜならそれが正しい道だから。

個人の思想に対する理不尽な迫害が人の生きる権利、労働する権利さえ奪い、それが罷り通っていたこの「赤狩り」の忌まわしさには震えが止まらなかった。

それ以上に、このトランボという人のキャラクターが素晴らしかった。
誰もが惹かれる圧倒的魅力の持ち主。
パワーに満ちていて、説得力と自信に溢れ、脚本家だけあって発信する言葉にもセンスを感じる。

「生きる」ということに対して微塵もブレないのだ。

ブレまくって生きているオレなんかは、トランボさんを同じ人間だとは思えなかったw

トランボさんは決して清廉潔白じゃないし、自分を貫くあまり友達を失うし、客観的には自分中心に思えるかもしれない。

服役後は偽名でしか活動ができないため「薄利多売」の貧乏ヒマなし状態。
あまりの忙しさに家族をほったらかして部屋にひきこもって、怒鳴り散らしますw
もちろんカミサンや年頃の娘にドン引きされてしまいますw

だけどトランボという人間には強烈な人間力を感じました。
生き方が完成されているというか、欠点さえも欠点じゃないと思わせる奥深さがありました。

だからこそ、最後のスピーチには素直に感動してしまった。

トランボを演じきるブライアン・クランストンのパフォーマンスは天才の一言。

他のキャストも言うことなし。
ジョン・グッドマン、ダイアン・レイン、エル・ファニングといちいち脇も手堅かった。

暗く、重くなりがちな題材でありながら、ジェイ・ローチ監督の演出はあくまでも軽妙で知的で、なおかつユーモアを忘れていなかった。

また、故ジョン・ウェインをディスった映画である一方、カーク・ダグラス(もう亡くなったと思ってたのに100歳超えてたw)の好感度をアゲた映画でもありました。
この対比は興味深かったw

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』は、事実は常に小説を超越していることを証明する驚くべき実話を基にした力強い傑作ドラマ。

ぜひ観て欲しい一本です。

トランボさんのハリウッドからの嫌われ度 1億点満点!

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