クリント・イーストウッド最新作『15時17分、パリ行き』を謹んで観賞した。

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もう春だなぁなんて思います。
北海道なのでまだまだ寒いですが、気持ち的には春と断言できます。

そう。
春ということで、いつもどおり偉大なるクリント・イーストウッドさんの映画が公開されました。

『15時17分、パリ行き』

イーストウッドさんの映画は映画館で観るように心がけています。
ほとんど責任とか使命に近いですね。

イーストウッドさんの映画に限っては、ちゃんと映画館で観ないとダメだなと思ってます。

イーストウッドさんこそ映画だし、イーストウッドさんが「映画とはこう作ります」という見本を見せてくれるから、その他大勢の映画を楽しむ心の余裕も生まれます。

これまでの監督作はすべて問答無用の傑作でした。
文句なしの完成度と妥協を許さない表現力で、観賞後はもう何も言えなくなって呆然とするしかありません。

80歳を超えているとは絶対に信じられないパワーとチャレンジ精神は驚嘆の一言です。

この度の新作において、イーストウッドさんはまたしても歴史を作りました。

2015年にパリ行きの特急列車で起きたテロ事件を題材にした本作は、なんと事件に遭遇した当事者がそのまま主演を果たしたという驚愕の作品です。

この事実を知った時、「え?ウソだろ?」ってもちろん思いましたw

これまでの常識を覆すぎているどころか常識がなさすぎますw
「そんなの通用するのかよ?」って当然疑います。

実際、彼らは本当に素人臭い演技でした。
オレよりは相当マシでしたが、そこら辺の近所の若者が大画面で慣れない演技を披露している様子が危なっかしく、同時に愛らしくも感じましたw

不思議なことに、彼らは全然悪くなかったw
それどころか、観ている内にいつのまにか3人に感情移入していきましたw

この素人臭さこそ必要だったのではないか、必然だったのだと確信していきます。
この3人の起用こそイーストウッドさんが伝えたいメッセージそのものだったです。

同様に一般人である鑑賞者に近いがゆえに、3人が成し遂げたことがいかに重要だったかを思い知らされます。

「人を助けたい、世の中の役に立ちたい」

それは平凡で、ありふれてもいます。綺麗事とさえ思います。
だけど、まぎれもなく賞賛に値する考えです。
たかが綺麗事を実現させた時、そいつは間違いなく英雄です。

誰かにヒロイズムとは何かと聞かれれば、この映画を観ろとこれからは答えようと思っています。

『アメリカン・スナイパー』における純粋で無垢な愛国心が戦争で裏切られ、傷つけられていく痛々しさ。

イーストウッドさんが心から敬意を表し、大切に想っているのは、そんな多くの「平凡」な人が持っている「正しいことをしたい」という心なんじゃないかって思うわけです。

正義心から軍に入隊し、身を挺してテロに立ち向かい、勲章を授かり、ヒーローとされた彼らもよくありがちな挫折やつまずきを経験し、どちらからと言えば不器用で幼少時代は周囲になじめていなかった。

よくある人生です。

だけど、それはオレらの人生でもある。
だからこそどんだけヘタクソな生き方でも真剣に生きねばと力強く思わせてくれる心の篭った作品でした。

この映画は個人的に重要な一本になりました。

『15時17分、パリ行き』

絶賛公開中!
映画館があなたを待っているよ!

ヒロイズム度 100点満点!

公式サイト

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