いいね。
これは凄くいい。
軽く観れるので、ちょっとした息抜きになる。
韓国映画ってナ・ホンジンとかポン・ジュノとかガシガシ作り込んでる力作もいいけど、たまにはこーゆー軽いのもいいですね。
元妻の事故死で再会した疎遠になっていた父親と娘の話です。
主役のこのオッサンが最高ですw
自堕落なダメ親父なんだけど、どうしても共感してしまうキャラなんです。
銀行の警備員としてやる気ゼロで働いているんだけど、盗んで溜め込んでた来客用のスティックコーヒーを、職場の机の引き出しに隠してる辺りとか泣けたw
あーゆー細かいシーンがキャラ作りに効果を出していて、オッサンへの親近感につながるんですよね。
そんな小市民極まりないオッサンが、よく分からない理由で超能力、サイコキネシスを手に入れてしまう。
で、娘の方は苦労人のしっかり者で、衰退した商店街を守るため、地元の悪徳土地開発業者とモメているのだ。
そんな状況を知ったオッサンが超能力を利用して、すっかり愛想をつかされてる一人娘の愛を再び取り戻そうと奮闘するのだ。
話もキャラクターもシンプルだし、基本的にコメディなのでサクサク観れて、お金もそれなりにかけてるからハリウッド大作に見劣りすることもないし、ちゃんとエンタメしてる。
やっぱ自分ももはやただの中年おやじですから、こーゆー映画は素直に好きですね。
オッサンがとにかく健気で良かった。
男親特有の不器用な愛情表現とか凄く分かるし、愛情が先走りして、娘に軽蔑されてしまうのも泣けた。
純粋すぎてカッコ悪いけど、小細工なしにひたむきに、ひたすら頑張ってみる。
だからカッコいい。
娘のためにマーベルのスーパーヒーローのような覚醒を見せるクライマックスは熱い。
アベンジャーズにスカウトされてもおかしくない念力パワーがドカーン!って発揮されるので、エンタメとしてのカタルシスは十分。
超能力どうこうより、「父親」という力の大きさや誇りというか、それが根底に描かれているので感動も深い。
すべての父親は子供の前ではヒーローになる権利があるのだと思った。
オッサンの真っ直ぐな姿に俄然力が入るし、ベタだけどその分言いたいことはストレートに伝わる気持ちのいい作品。
とっても良作です。
大暴れした後の話の決着の付け方も意外と冷静で良かった。
時代の流れや権力の意向には逆らえないという現実のシビアさをちゃんと描きつつ、それでも腐らない姿勢が素晴らしかった。
人生思い通りにはならないけど、家族や友人が一緒にいることは幸せであり、
出来ることからまた始めようよってゆーポジティブな気持ちに溢れていた。
地道に努力して、笑顔で日々を生きている人たちへの応援歌としても評価したい一本。
そして、聞いたところによると何やらこの映画は、安易なダジャレタイトルがどうしても許せない『新感染 ファイナル・エクスプレス』と同じ監督らしいじゃないですかw
ダジャレタイトルは納得いかないが、コリャやっぱ観てみないとダメだなと考えを改めましたw
だって、『サイコキネシス 念力』面白かったもんw