スパイク・リーですぜ！
待望だったし、生きている間にまたスパイク・リーの作った映画を観れるなんてラッキーすぎます。
最新作のコレですが、凄すぎました。
驚愕の実話すぎて信じたくても信じられないというか、真に受けて信じられるヤツはいないと思うｗ
白人と黒人の刑事コンビが、白人テロ組織KKKへの潜入捜査を仕掛ける話。
ユダヤ系の白人刑事が現場に直接潜入して、黒人刑事が電話先でのみ「声」で遠距離潜入ｗ
つまり、二人で一人の人物を装ってる体なんだけど、「そんなの絶対無茶だろ！」って突っ込まずにはいられないｗ
大胆すぎるというか、ほとんど無謀の自殺ミッションｗ
でも、こんなメチャクチャな方法がちゃんと機能しちゃうｗ
それはもちろんKKKがアホだからに違いないわけですｗ
たかがド田舎で威張ってるだけの引きこもりのカルトじゃんと。
スパイク・リーはそーとーね、そーとーバカにしてましたｗ
KKKをバカにしすぎｗｗ
冒頭からKKKをディスりまくっていた。
でも、ストレートじゃなくて、賢くイジってる感じｗ
そりゃ悪意はバリバリあるけど、同時に客観性もあって、イジり方には知性と洗練を感じる。
スパイク・リー、やりますなｗ
『マルコムX』なんかを作っていた時は肩に力が入りまくってガチガチの黒人映画アピールがちょっと観ていて疲れたけど、今回は余裕と成熟ぶりが伺えた。
KKKへのアンダーカバーってどう考えても恐るべき実話じゃん。
でも、ぶっちゃけスゲー笑えるのだｗ
観る前はクソマジメで、硬派な作風を想像してたんだけど、意外や意外な社会風刺効き過ぎのブラック・コメディとして楽しめるｗ
文字通りブラックなユーモアが強烈に効いた実録ドラマ。
KKKが元気に活動してた頃の話なので、もちろんストーリーの緊迫感はハンパない。
潜入がいつバレて殺されるか分からないわけですから。
後半でテロへと向かっていく辺りなんて凄く怖い。
ただ、スパイク・リーが極めて柔軟に作ってるので、絶妙なバランスが天才的に取れているのだ。
『ブラック・クランズマン』は、この前観た『グリーンブック』とある意味対になっているような2つで1つの「今のアメリカ」への冷静なレスポンスですね
スパイク･リーとして、現状への「怒り」は詰まってる。
エンディングを観れば明らかだしね。
それでありながら、KKKを嬉々としてディスりながらも、ブラックパンサーを器の小さい分からず屋としても描いているのが興味深い。
まさに偏った主義主張を一方的にアピールして、お互いを分断へと招いているアメリカそのものなのだ。
タイムリーな題材だし、人種という名の厄介な「呪い」を描き続けるアメリカ映画の新たな傑作だと思う。
ぜひ観るべき。
