まさかのデ・パルマの新作ということですw
デ・パルマがまだ現役で映画作ってたことがまず嬉しいし、ホッとしましたね。
面白かったです。
普通に撮っていれば1時間程度で終わるよーな話なのに、そこは普通に撮りたくないわけです彼はw
せっかくのデ・パルマなんだし。
ヨーロッパのどっかの異国情緒のある国で、刑事がテロ事件を追いかける話。
おっかないテロリストが物騒な事件起こしつつ、登場人物各々が抱える個人的な復讐心に諜報機関のドス黒い思惑なんかもあったりして、それなりに面白く展開する90分でした。
よくまとまった話になってましたが、そんなことよりやっぱデ・パルマらしく、やりたいことは決まってましたw
ムダな長回しと分割画面、意味深に迫るクローズアップ、大げさなスローモーション、ピノ・ドナッジオ安定のスコア。
クライマックスの闘牛場での一連のサスペンスシーンとか凄すぎたからねw
『スネーク・アイズ』におけるボクシング会場でのパニックシーン以来、スゲー興奮しましたw
オレと同じように感じた人、多かったんじゃないでしょうかねw
いわゆる「デ・パルマー」ならば絶対に観るべきですねw
最高とまではいきませんでしたが、満足のできるデ・パルマ堪能作でした。
デ・パルマによる、デ・パルマのための趣味の時間として納得して観ました。
ファンとしてはまぁ、とんでもなく贅沢なひとときだったのは認めますw
デ・パルマ好きな人以外が観る理由が一個もないし、観てもどーせ楽しめないのでお構いなくというスタンス。
そこも最後まで貫いていて感動。
それがデ・パルマ作品の素晴らしさなんですよね。
やっぱ偉大だわぁ。
思いのたけをこれだけ自分勝手に、やりたい要領でやれたわけですからね。
デ・パルマにしか許されない特権。
もしこれが万が一に遺作になっても、デ・パルマは本望でしょうね。
たぶんねw
90年代の一時期はハリウッドらしい大作に手を出して、最先端の流行に乗ってみたりしたけど、結局アナログな初心に戻ってきてしまったのがバーホーベンを思わせて泣けますよね。
『キャリー』『殺しのドレス』『ボディ・ダブル』なんかをコツコツやってた頃が一番デ・パルマがデ・パルマだった純然たる天才時代。
豪華キャストのギャング大作『アンタッチャブル』をメジャーでヒットさせ、『レイジング・ケイン』『カリートの道』を立て続けに放ち、存在感をさらに強めるのだ。
売れっ子の運命として『ミッション:インポッシブル』『ミッション・トゥ・マーズ』で行けるところまで行った後、人知れず『リダクテッド』なんかでファウンド・フッテージにもトライしてみたけど、色々経験した果てに『パッション』でデ・パルマのあるべき姿に帰還したという流れ。
そして、自らの演出の独自性を自己確認するべき姿勢で作った『ドミノ 復讐の咆哮』。
高齢になってもしっかり自分の映画作ってました。
間違いなくデ・パルマの映画でした。
観ましょう。