『ザ・ハント』

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うすうすというか、バレバレで分かってはいたけど、やっぱりスゲー面白かった。

我慢できずに白状するけど、ポスターのこの女の人がメチャクチャ面白い人ですとりあえずw

まぁ、それはまた後ですw

ブラムハウスの素敵なフィルモグラフィにおいては断然トップクラスにランク入りする優秀な出来栄えでした。

始まってすぐに面白いのに、ますます面白くなっていき、一度も面白くなくならないで、ちゃんと面白く終わる映画ってたまにあるけど、そんな作品でした。

面白くないシーンが1個もなくて、体感的には30分ぐらいで終わっちゃいましたw

実際の本編も90分程度と良心的。すべての面白い映画が90分だったらどんなに鑑賞者はラクだろうなって思いますw

『ザ・ハント』は『Mr.ノーバディ』と並んで、今年最も見逃して本気で悔しかった映画の1本かもしれません。

地元のスガイでしかやってなくて、案の定上映終わるの早すぎてたし、きっとヒットさせる気ゼロだったし、そもそもヒットしなかっただろうけどw

根拠のないネット中傷で社会的信用を失って怒った金持ち意識高白人が経済力に物を言わせて、白痴の貧乏レッドネック白人捕まえて、家畜豚のように弄びつつ殺しちゃえってゆー物騒な話です。

いきなり見も知らぬ土地の野原で猿ぐつわはめられたまま目覚めた他人すぎるどっかの人たちが、巨大な箱に豪華な銃火器がジャジャーンって用意されているので好き勝手に武装して、どこからともなくとんでくる銃弾と殺人トラップから逃げまどってくださいってことになり、サバイバル余儀なくされるというのが前半w

鑑賞者をおちょくっているのか、ガツガツ食いまくってくる意表を突いた冒頭からいきなり痛烈です。

あ、こいつが主人公なんだなって思っていた人が何度も無残に死に替わりまくって、ほとんど何が起きているのかまるでつかめない藪の中。

いつもの映画だったらヒーローだったり、ヒロインだったりするタイプの美男美女がことごとく惨殺退場でとっとといなくなり、生き残りの集団でひたすら殺されないようにサバイバルを続けるのかと思うと全然そうにもならないので、ついにほとんど気配消していたポスターの女の人がなんとなく途中から本当の主役なんだと分かるわけですw

AKAスノーボールことクリスタルさんw

必死こいてる周囲の中で、ただひとり焦らず、でも居心地悪そうな感じで、どこか変な冷静さで、現状に対して気まずさ匂わせてるなぁと様子をうかがっていたら、突然の特殊部隊仕込みな戦闘能力高すぎの豹変サイコキラーの変態キャラ発揮で、実は一番の異常者だったという誰もが思ってもみなかった事態なのだw

エマ・ロバーツ並にサクッと殺されるはずだったスノーボールさんでしたが、まさかのジョン・ウィックかよってぐらいな悪魔的強さによってアホみたいにサクサク殺されていく金持ち意識高白人の皆さんの無様さ。

現実の社会で起きている無知で狭量な人々の分断やら対立やらのくだらなさや愚かさを、アホな殺し合いに見立てて、わざわざ頭も体も吹っ飛んだり、肉片飛び散ったりして過剰な演出をするが、どこか悪い冗談を見せられているようなコントのようにも演出してるのが頭が良い。

この監督さんは、一方的な思想を押し付けたがる生き辛い社会に対してイライラしたり疑問に思っていることが色々とあるわけで、そこをいかに説教臭くならずに、でも、いたるところでちょこまかと議論を招きそうな鋭い問題提起を突っ込んできては、自分という軸からブレないハンテッドにしてハンターなスノーボールさんがひょうひょうと痛快なお仕置きをもたらすのだ。

正体不明の所属不明の経歴不明なスノーボールさんの無双なバッドアスぶりなので、これはぜひとも続編を作って欲しいと願わずにはいられないのが普通の神経ってもんですw

あまりに謎と秘密が多いスノーボールさん。

過去の話でもこれからの活躍でもいいので、作って欲しいし、いつかはジョン・ウィックやイコライザーさんとの共闘も観たいw

演じるベティ・ギルピンさんが役にハマりまくってて運命の代表作。表情表現が豊かで、いちいち高度な顔芸をキメてくる。実はさりげなく巨乳であるという点もポイントが高い。そこを気にさせないキャラの魅力を伝える演技力がさすがのベティ・ギルピンさん。

『ザ・ハント』は笑えるし、引き込まれるし、興奮できるし、なにかと頭が切れてました。

芸も思慮もなく人間狩りなんてやって許されたのは『ハード・ターゲット』とか『サバイビング・ゲーム』なんかやって喜んでた90年代の知恵のない原始時代だけ。

過激なストーリーと刺激的な表現、政治的なブラックユーモア満載で、アホでマヌケなアメリカ社会をバカにしまくるインテリな人殺しエンタメ。

ジェイソン・ブラムさんはほぼ外さないし、たまにズッコケさせてくれるけど、決めるときはこうやって確かな結果残してくるので、今後とも信用していく所存w

観るべき傑作。

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