『KIMI/サイバー・トラップ』『クライム・ゲーム』

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ソダーバーグさんはいつの間にか映画作り再開しててジワりますw

5,6年前からなんだか勝手に始まってましたよねw

なんか引退宣言みたいの結構前に言ってた記憶あるけど、知らん間にまた何事もなかったかのように映画撮ってて、そうなるとオレなんかはやっぱ見ちゃいますよねw

今回はそんな愛すべきソダーバーグさんの淡々と見事な映画作りの卓越した技巧がまるほどと確かめられる2作品を観ました。

なんの話題にもならない新作が、レンタル屋で涼しい顔して貸し出されている辺りもウケるので、いまだかつてなくソダーバーグ好きになりますねw

『KIMI/サイバー・トラップ』

まずはこれ。『KIMI/サイバー・トラップ』がめちゃくちゃ面白かったし、評判あんまり良くないけど、本当に観るべき1本。

アレクサもSiriも凌ぐ人工知能KIMIの認識エラーを解決する引きこもり音声分析官の女の子が音声記録から自社が関わる殺人事件見つけちゃって、暗殺者に狙われるスリラー『KIMI/サイバー・トラップ』になってます。

ヒッチコックやデ・パルマを彷彿とさせるサスペンス演出で、状況に合わせて要領良く立ち振る舞うカメラワークもさすがの見せ方です。

コロナ禍での巣ごもり生活が背景にある話なのも今らしくて新鮮だし、潔癖症と外出恐怖症での精神不安に苦しみながらも巨悪の卑劣な犯罪隠蔽をみすみす見過ごしてなるものかと勇む主役の女の子演じるゾーイ・クラビッツが凄く良くて、小柄な体で神経過敏にちょこまかと動き回るクセのある演技が可愛いいし、一方で激しい感情表現も光ってて、この人はなんだか有能な気がしました。

『ザ・バットマン』に抜擢されるだけあるw

脚本も登場人物、アイテム全部回収してくる見事な作りで、でもこれみよがしじゃないのがステキw

めちゃくちゃ面白かった!

ソダーバーグはムダを極力抑え込んで、コスパのいい面白映画作る天才!

手際の良さのプロっぷり!

凄く面白いのに、盛り上がりすぎる寸前にちゃんと抑制を効かせて、映画としてはどこまでもクールな精神を貫いていてカッコいい。

なんでもかんでも素材関係なく料理が上手い。

万能。

『クライム・ゲーム』

同じようにこれもソダーバーグの手腕が確実で、心配無用な仕事ぶりに感心するしかない作品。

50年代の裏社会を舞台にしたノワール物。

なんか初期の『アウト・オブ・サイト』とかやっていた時以来の本格犯罪劇ですね。

大手自動車会社の不正が記載されたある重要書類を巡り多様な人間関係の中で裏切りと騙し合いが繰り広げられる『クライム・ゲーム』。

単純な盗みの仕事のはずが、一瞬の判断で計画が狂ってしまい、関わってくる人物もますます新登場していき、話もますます入り組んでいき、誰がどこまで深く関わっているのかこっちは知る由もないのだw

全然派手じゃないけども、何やら悪い人たちの不穏な思惑が止まらず、ずっと飽きずに見応えが続きます。

なんだろなこの面白さはw

どう転ぶのかが地味に予測できないし、残酷な展開も平然と待っているのも震えました。

いちいち映画好きにはたまらない役者が配置されていて、最後まで驚きを隠しませんでしたオレはw

ソダーバーグじゃないと実現できないとんでもない豪華キャストで作ってて本当にビビった。

あんな人やこんな人など色んな大物がここぞと出てくる隙の無さ。

ソダーバーグ映画には欠かせないあの人ももちろんラスボスの役で登場なので、安心してくださいw

それなのに、画面にギラギラしたスターのゴージャス感を抑えていて、あくまでもクールにストーリーを描き通すのがソダーバーグさんらしい。

これがソダーバーグの成せる技です。

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