『ブラインド』『見えない目撃者』

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『ブラインド』

事故って家族のように仲良くしていた弟分と視覚を失った元警察訓練生が、ケアタクシー装って女の子誘拐してる犯人さんによる事件現場に遭遇しちゃって、命狙われちゃうのだ。

陰湿な韓国サスペンスの安定感で、いい具合でおぞましかったヤツです。

キム・ハヌルさんのブラインドだけど色々と耳が良すぎるせいで警察に協力することになる元警察訓練生の目撃者役が熱演で引き込まれた。

盲目だけど聴覚の卓越っぷりがビジュアルで良く表現されていて面白い。

『チェイサー』のような女性虐待したくて仕方ないサドの変態サイコキラーがこざかしく出てきてはいちいちイラつかせてくれるのは韓国の十八番の得意技。

事件を嫌々ながら担当することになる刑事が不自然に面白いキャラに作りすぎてて、韓国がやりがちな緊張感を削ぐコメディ要素が余計なお世話で邪魔ではあったが、なかなか良く出来た脚本と見事な演技で楽しめた。

そして主人公をサポートし、家族的存在だった健気で忠実な盲導犬に訪れるまさかのまさか。

オレは別に犬好きじゃないけど、思わぬ出来事だったのでショッキングだったし、韓国映画は動物にも容赦ないなって同時に感心w

良作。

『見えない目撃者』

凄く面白かった。

『ブラインド』のリメイクで、邦画にしては大げさで安い演出がないし、いい意味で洋画っぽい抑制された展開が真っ当なサスペンススリラー。

個人的にはオリジナルより面白かった。

珍しく韓国版より猟奇的かつ陰惨で、作風はずっと暗く、シリアスに仕上げているのも良かった。

殺人鬼の犯人像の設定も含めて、子供の貧困や家出、売春という社会背景を絡めた事件の描き方やキャラクターの人間関係の丁寧さという点で、脚色がたぶんかなり上手い。

主演の吉岡里帆って人はマトモに演技を観たのは初めてだが、オリジナルのキム・ハヌルに匹敵するか凌ぐかぐらいの名演技。

弟の死への責任感や盲目という障害で自暴自棄になっていた主人公が、目が見える以上に色々なことが分かる秀でた能力と人を助けるんだという強い気持ちを武器に困難に立ち向かい、他者という社会への関りを諦めないという意志を表明する意味での「手を握ってもいい?」の一言が心にじんわり刺さってくるラスト。

吉岡さんの名演技のおかげで涙出た。

オリジナルでも見どころだった重要なサスペンスシーンもちゃんと成し遂げつつ、犯人を見つける殺人ミステリーとしての面白さが追加されていて、暴力的な表現も頑張っていたし、画面にぐいぐい引き込ませる役者の演技力で最後まで気が抜けない。

これはいいリメイク。

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