『フリーガイ』

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ディズニープラスがもはや配信してくれるというありがたみと歓び。

ゲームの世界観使った軽いコメディかと想像してたけど、めちゃくちゃ真っ当に作りこまれた しっかり者の娯楽作でしたw

メチャクチャ面白いし、ロマンと冒険と遊び心とメッセージがあって、ライアン・レイノルズがまたしてもゲラゲラ笑わせてくれます。

巷を席巻する大人気オンラインゲーム「フリーシティ」のNPCキャラ、その名もガイさんがあるとき突然自我に目覚めて、決まった行動と反応しかしないはずの規定プログラムを無視しての自分の気持ちのおもむくままのフリーライフを満喫しはじめるw

ゲームの設定もミッションもクソもないわけで、自分の独断で勝手にレベルアップまで成し遂げていき、やりたい放題の悠々自適生活しだして、フリーシティの平和に貢献w

ゲームプレイヤーが操作するメインキャラでもないただの「脇役」どころか「エキストラ」なガイさんなのに、もはや主人公は僕だった状態が起こってしまうのだw

しかも、本人自身は存在している世界がゲームであることさえ知らないからますます複雑で、面倒なトゥルーマン・ショーという芸レベルの高いバージョン。

感情と知性も持ち合わせてしまったから、いつもの日常に変化を求めてしまうことで、繰り返される毎日が終わり、たまにはカプチーノも飲みたいし、着ているシャツも変えたいし、退屈な銀行勤めもうんざりしてとっとと辞めちゃうわけです。

安心安全な同じ風景を眺めるのもいいが、違う味や違う場所や違う体験が、脳と心に刺激をもたらし、解放された思考を現実化することで、運命の支配者となり、本当の意味で「フリーガイ」になるのだ。

それが自分の人生を生きる主人公のあるべき姿。

そんな前代未聞な事態に、現実世界のゲーム界隈も大慌ての騒然さ。

ゲーム会社の社長は保身とビジネス守るためにガイさん抹殺をもくろみ手段選ばずの激おこぶりだし、ゲームの土台プログラム作ったプラグラマーさんは、ゲーム内キャラとしてゲームに参加しながらガイさんと協力して打倒社長とゲームを守ろうと奮闘。

NPCであるはずのガイさんによる想定外なハチャメチャなヒーローっぷりにゲーマーたちは大喜びだったりする。

ゲーム内での事件が、現実世界への影響を及ぼしたために、今度はゲームの存在さえ危うくなってしまい、もはや生命体なのかプログラムなのかわかないが、間違いなく自己を認識しているガイさんは自分の存在を消されてなるものかと果敢に立ち向かうのだ。

ガイさんの異色な存在が、他のNPCキャラの決め事設定にも変化をもたらし、ゲームが現実に対して反乱の意志を示し、革命が起きる。

自由すぎるゲーム内の表現も相まってかなり楽しかったです。

変にこだわって物理的な肉体を求めるという流れにもならず、真面目腐って哲学にも向かわないで、現実世界の人間もバーチャルなガイさんも、それぞれの場所でそれぞれの道を歩めばいいよねってゆー現実的な結論に落ち着くあたりの背伸びしない姿勢が好きでした。

そして、とびきりロマンティック。

生身の人間が大事に抱いていた愛情の想いがプログラミングとしてひそかに書き込まれ、ゲームキャラクターの台詞によって表明されるというこれまでになくロマンティックな手法による恋愛映画として本作は評価高いです。

好きな相手の好きな食べ物や好きな曲や好きな思い出を知るということ自体が「好き」というロマンであり、ひとつのキスで見える世界は一変する。

もはや人間なのかどうかさえ超えたところで、ガイさんは間違いなく「本物」になる。

凄く感動しました。

恋愛が発端となって知っていたはずの世界に変革が起きる物語は、実は普遍的だし、自分と支えてくれる社会(他者)との距離感やつながりを本気で考えようよって大人な良心的メッセージへと繋がり、オンラインゲームという現代的な知恵と発想によって描かれた人間賛歌のマジで素晴らしい傑作の賜物だった。

ゲーム好きへのゲームあるあるの気の利いたアピールやディズニーってことで、ちゃんと内輪の映画ネタを提供してくるあたりもサービス精神が見事。

いやー、監督のショーン・レヴィさんは『ナイトミュージアム』とか『リアル・スティール』とか作品世界もキャラクターもガッチリ描き込んだ面白映画しか作ってきてないわけで、『フリーガイ』が面白かったのも納得の出来栄えでした。

ライアン・レイノルズはイケメンだけどなんかいい意味で普通っぽさもあり、イジられキャラでもありアホであり狂人でもあるので、このキャラクターは適役にも程がありましたw

タイカ・ワイティティに至っては楽しみすぎだろあの人w

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