『クリーン ある殺し屋の献身』

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哀しい過去背負った訳アリ清掃人クリーンさんが、娘のように気にかける隣家の少女が悪党に狙われたため、封印した殺人スキル覚醒させて、神も警察も見捨てた物騒な近所の犯罪集団を一掃する『クリーン ある殺し屋の献身』。

話遅すぎ、雰囲気渋すぎ、画面暗すぎだが、エイドリアン・ブロディさんがなにがなんでもカッコ良すぎ!w

『ジャケット』『スプライス』に次ぐエイドリアン・ブロディさんのお気に入り映画かもしれん。

廃品拾っての修理してからの転売、廃屋修繕、ペンキ塗りなどの趣味の風景。

お世話している隣家の女の子へのお弁当渡し。

ワンコ可愛がり。

薬物依存症ミーティングでの仲間の床屋での散髪。

何度も悩ます亡き娘の思い出と陰惨な過去の記憶。

そんな感じで、前半はほとんどゴミ収集の清掃員としての静かな日常と過去のフラッシュバック悶々なので話は派手に動かないのにずっと見ていられるし、その溜めに溜め込んだ時間に秘めた思いを発散すべくがごとく、終わりの20分ぐらいで鈍器や手製の武器で相当な死体の山作ってしまう緩急もたまらんw

敵のアジトへの殴り込み直前での、お気に入りのホットスポットである廃車置き場での手先の器用さを存分に役立たせるDIYな殺人飛び道具の作成の過程を丹念に見せるモンタージュが地味に熱いw

夜勤で街中を乗り回すゴミ収集のダンプトラックでさえ夜の闇に映え、エイドリアン・ブロディの右腕のような頼もしい存在感を醸しだす。

すべてはエイドリアン・ブロディ効果が演出として機能しているのだ。

ジャンルとしては「舐めてた相手が実は殺人マシーン」の系統には違いない。

心に癒えない暗黒の傷跡抱えながら、正体を隠して目立たず生きるプロフェッショナルな殺し屋が人助けのために血と暴力の粛清をブチかますという流れにおいても、ストーリー的には『イコライザー』や『ザ・コンサルタント』に近いかもしれない。

ただ、演じてるのがエイドリアン・ブロディだってことの個性が作風として強いw

アクション映画としては派手さやインパクトに欠けておとなしいかもしれないが、エイドリアン・ブロディという世界観を堪能するには十二分すぎるほどの魅力放つ良作。

なんでもない場面でもなんだかエイドリアン・ブロディならではの悲し気な瞳と佇まいの哀愁で、漂う人間味がめちゃくちゃにいいw

嗜好が伺えるアングラなラップナンバーのサントラなんかもいい具合で、ゴミ収集人の主人公の日常でありながらもクールに彩ってましたw

カタルシスは足りないが、主演のみならず脚本・製作・音楽まで手掛けて、わざわざ出資までしている思いの入れようなので、エイドリアン・ブロディがやりたいことを詰め込んだ個人的に作りたかった作品なのかもしれない。

だから、エイドリアン・ブロディのためのカッコつけ映画の意味合いも大きいw

主人公のビジュアル作り、人柄や人付き合い、葛藤の描き込みにやたらと時間かけてるのも頷けますw

そうすることで、後半の暴力振るい放題で血浴び放題な殺し屋モードへと変貌するエイドリアン・ブロディが生きるw

エイドリアン・ブロディが本当に見せたかったエイドリアン・ブロディ。

エイドリアン・ブロディを語るには無視できない作品が生まれたことには間違いないです。

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