ゴージャスに生まれ変わった『オリエント急行殺人事件』のリメイク!それがコレ!

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いやいや、これは傑作でしょ。
そもそも原作がアガサ・クリスティですからね。
それなりの人が作ればそりゃ面白くなるに決まっているわけですが。

映画としても「列車映画」のカテゴリーの中では1位、2位を争う面白さ。
そんなカテゴリーがあるか知らないけどw

オリジナルはもちろん観てます。
故シドニー・ルメット監督の数多すぎるフィルモグラフィの中でも人気の高い一本。

故シドニー・ルメットと言えば『狼たちの午後』と『十二人の怒れる男』。
そして、遺作である『その土曜日、7時58分』作った人です。

この方は映画作れば全部傑作で、失敗してるところはまず見たことなかったですね。
カラーなんて存在しない相当昔から映画作っていて、2007年の遺作に至るまで微塵もパワーが落ちなかった人。
おじいさんですから少しは耄碌してもおかしくないのに、衰えは一切見えませんでしたし、骨太なリアリズム演出は健在だった。
こんな人はいなかった。
マジで凄い人だった。

ちなみにオレが一番好きなのは『殺人調書Q&A』ですw

そんな偉大な人の傑作オリジナルを今更というか、なんで今なのか分からないけど、お金をかけてリメイクしてみたのがなんとケネス・ブラナー!

ケネス・ブラナーと言えばゴリゴリのシェイクスピア作品のイメージが強いですが、実際は結構エンタメ嗜好の人だったりする。

今回の『オリ急』(以下『オリ急』)ですが、そーゆー意味で凄くいいです。
硬派で緻密なシドニー・ルメットと比べるとずっとリラックスしてて、本当にエンタメ。
画面もハイテンションに展開して、セットもキャストもゴージャス感バリバリ。

気持ちよいほどにハリウッド映画。

ケネス・ブラナーって実は柔軟な人だなって思いました。
英国人監督ってどうしても気取っていて、高尚で、どこか暗い印象が強いんだけど、ブラナーっていい意味であっけらかんだし、軽薄ですよねw
意外にも『マイティ・ソー』とか『エージェント・ライアン』なんかを作ってるのが微笑ましい。
このまま自由気ままに映画を作り続けて欲しい。
やろうと思えばアカデミー賞狙いもできるのに、映画に非現実やファンタジーを求める一般観客寄りの姿勢が好感。

『オリ急』はとにかく最初からずっと楽しい気持ちにさせてくれて、ワクワク感がハンパない。
そもそも主人公エルキュール・ポアロが断然魅力的。

なんといっても、やっぱあの顔ですよねw
映画的な派手でインパクト抜群の顔で、あの顔見てるだけでなんか楽しいw

そして、今度のポアロは頭脳だけじゃなく腕っ節も強い。
後半は激しいアクションシーンもこなしてくれて、キャラクターの魅力がオリジナルより高まっている。
そのサービス精神に感謝。

ブラナー演じるポアロを筆頭にミシェル・ファイファーとジョニー・デップとジュディ・デンチとデレク・ジャコビが一緒の列車に乗っているというゴージャス感。
画面が贅沢すぎる。

新『スター・ウォーズ』シリーズでレイを演じる売れっ子の若手女優もちゃっかり起用してくる辺りのバランス感覚もさすがビジネスマンだなと感動。

作品が伝える「善と悪」というテーマの描き方も素晴らしかった。
説教臭くならず、ちゃんとストーリーとして自然と浮かび上がらせて、ポアロさんの価値観にも影響を与えていく作りが秀逸。

オリジナルを観ているので、事件の真相も真犯人も誰かは知っていました。
それでもこの作品は間違いなく最高の一本。
オレの心を十分に満足させてくれた。

故シドニー・ルメットはどう判断するか分からないが、このリメイク版『オリ急』は誰がなんと言おうとマジメにエンタメしてた。

唐突ですが、最後は「列車映画」のベスト5を勝手に発表したいと思いますw

1位 『ポーラー・エクスプレス』
2位 『オリ急』(2017版)
3位 『カナディアン・エクスプレス』
4位 『アンストッパブル』
5位 『カサンドラ・クロス』
次点 『トレイン・ミッション』

ではでは!

リメイク成功度 100点満点!

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