『ゴジラ-1.0』

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すっかりクリスマス映画ばっか観てて、なんも感想書いてなかった!

面倒すぎんねん感想文!w

もう言わずもがなですね。

一番怖くて、一番強くて、一番悪いゴジラ。

ひたすら怪獣なゴジラがのっしのっしと庶民踏み潰して、尻尾振りましての銀座をドカドカ倒壊、追い打ちかけての尾びれガシガシと溜めて溜めての溜め込んでからのアトミック・ブラストのバババババーッ放射の必殺技でワイルドでヘヴィな原爆仕込みの熱射線攻撃受けちゃったからには成す術なしなので、もはや絶望するしかないという『ゴジラ-1.0』のゴジラのとんでもなさ。

もう死にそうになった。

これは凄い。

感動したわー。ちゃんと恐れ慄けるゴジラ描けるのは日本だけ。

ゴジラの不気味さ、圧倒的パワー、強大さ、偉大さ、重厚で畏怖すべき存在感。

今度のゴジラはマジで無慈悲。微塵も容赦なし。ただただバケモン。広がるのはひたすら地獄。

愛も希望もクソもあるかとばかりに人類と何一つ相容れることのない悪魔。出現しては破壊もたらすだけ。脅威すぎ。

あまりにも戦争で負けすぎた無力感に襲われ、疲れ果てた終戦直後の日本にゴジラ上陸はやりすぎ。辛すぎ。泣きっ面に蜂も程がある。

最悪のタイミングでの最強のゴジラという呪いが、戦争を生き延びた人々にまたしても命がけの戦いを強いるんだからマジでハードすぎて涙も出んw

あまりのゴジラの所業を目の前にして、これはもう諦めて死んだ方がマシなんじゃないかってさえ思わせるゴジラが天を切り裂くような唸り声上げてのバババババーッですからね。

あの現場では失禁してた人もいたはず。

マジで凄すぎた。

正しすぎるタイミングでのここぞとばかりのテーマ曲ブチ込みにも震えた。

ところどころ昨今のモンスターバースっぽいポップな動きもありつつちゃんと東宝ゴジラの貫禄と偉大なオーラ漂わせていて、ゴジラ本来の化け物の恐ろしさがこれでもかと表現されている凄まじいいゴジラだった。

でも、これこそ観たかったゴジラ!

待っていたゴジラ!

って感じしたね。

ゴジラがヤバかった!史上最高のゴジラ!マイナスどころかプラス100億点のゴジラという神の怒りにガクンと膝落として観念しかない。

登場シーンが全部背筋ゾクゾクするほど傑出していて、大暴れシーン自体は少ないにも拘らずこれ以上考えられないゴジラ演出が全部クールかつ完璧で、とんでもないもんを見せつけられた。

やっぱちゃんと世界を見据えて、世界市場相手にしているだけあって、冒頭の夜襲は『ジュラシック・パーク』のようなスリルがあったし、海のど真ん中でのしょぼくれたボート一隻でのチェイスは『ジョーズ』のサスペンス、銀座でのパニックはほとんど『宇宙戦争』だった。

そんな感じで、重要な見せ場でのスペクタクルはスピルバーグを意識していて、しかもハリウッド大作に負けない迫力出していた。さすがの技量と感覚の持ち主、山崎貴さん。

ストーリーも世界基準。いい意味でベタなんだけど、的確なんですよね。

分かっちゃいても感動的で、ちゃんと泣けたしね。

終戦仕立ての政府なんて何にもしてくれないし、かといってアメリカも知らんぷりなんだから民間の民間人主導での民間作戦やっていこうってなって、奮い立てていく庶民目線で展開するゴジラ対決が熱い。

『シン・ゴジラ』に対してここでは一般庶民の視点からの切実なドラマが丁寧に描かれていて、ゴジラやっつけるために一致団結していくスポ根のような連帯感、仲間意識や友情、家族の絆なんかが山崎貴監督ならではの人情演出が正解で、感情移入もしやすくて凄く良かった。

北米でも受け入れられたのは、ディズニー失速への失望も重なった時期的な運もあるが、築かれてきた厚いゴジラ人気と本作におけるゴジラそのもののモンスターとしての魅力だけじゃなく、ストーリーのクオリティであり、人間も描けている確かな脚本。

戦争のPTSDは世界で共通するテーマでもあるしね。

主人公は恐怖で特攻を逃れたパイロット。仲間を助けることができなかった罪悪感で見る悪夢に苛まれる。

まるで生きることを疑い、拒絶するかのような苦しみにこっちも心痛んだ。

結婚という決断や子供を育てる、家庭を築くということはやっぱ「生きる」という強気な精神に基づく積極的な社会的行為なんだなぁと痛感。

自分を罰し続けて許すことができずに後ろめたさで暗く沈んでいた主人公が、自分の中の戦争に決着をつけるラストシーンは目頭熱くなるに決まってました。

戦争で傷ついた軍人たちがお国のためでもなく、天皇陛下バンザイのためでもなく、明日のために、生きるためにゴジラに挑むストーリーがマジでアツい。

そんなわけで、戦争は全否定してて清々しかったですね。戦争なんぞ間違ってるに決まってるわけですから。

ゴジラに対する作戦遂行も死んでも戦えってスタンスじゃなくて、絶対に生きて帰ってくるぞって気持ちで臨んでて、悲しみを知ってからの希望の力の方が大きい前向きな作風。

山崎監督が貫くのは特攻は断固クソですという姿勢で、特攻を正当化も美化もせず、バカみたいに特攻して死ぬより逃げて生きて帰ってきた方が尊いよね、偉いよねってことですわw

ゴリゴリに反戦映画でもあって、特攻なんてどう考えてもアホの極みですよ、そんな愚行を強いる戦争は間違いでしたという強固とした主張がブレない。

戦死しなくてラッキー。生きているなら生き続けろというメッセージ。

死ぬのは間違い。生きるのが正しいもん。

その正義がゴジラをやっつける。戦争を終わらすのだ。

これはアカデミー賞総ナメでしょうどう考えても。

北米での高い評価と大ヒットもうなずける世界最高峰のゴジラ映画誕生。

この調子でマーベル頼りかつWokeなハリウッドの面目を粉々に踏みつぶしてくれ。

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