『ストレイ・ドッグ』
『聖なる鹿殺し』に続いてニコール・キッドマンの手コキが見れるとは思わなかったので感激しました。
これはニコール・キッドマンを堪能する映画でしたね。
過去の強盗団への潜入捜査での失敗で心閉ざしたアル中の厄介者扱いされてる刑事が、因縁の過去に落とし前つけようとする話。
おぞましい形相の悪魔に魂売ったようなメイクアップでの鬼気迫る演技で圧倒してきて、ヨロヨロの満身創痍の死に体コンディションにもがき苦しみながら罪と闇に覆いつくされて地獄へと向かう私怨の塊のデストロイヤーでした。
後半は死神みたいな迫力で最高でした。
描写は少ないが、自堕落年頃娘への憎まれ口叩かれながらも不器用だが真っ直ぐな愛情を向ける姿が泣けます。
『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』も良かったが、今回の後悔と憎しみに侵されて破滅へと向かってしまう複雑で深みもある母親像にも感動した。
ニコール・キッドマンの演技が面白すぎて、退屈になりがちなストーリーを救っていました。
ダークで、重い犯罪スリラーで、若く美人だった潜入捜査時代のフラッシュバックが、数十年苦しんできた罪悪感と溜め込んできた復讐心メラメラで魂すり減らしてる現在と交互に展開し、最後に「あぁ、そうだったのか」ってとりあえず納得させてくれる親切な作品になってたのもスッキリ。
カリン・クサマ監督は『イーオン・フラックス』を撮っているが、『インビテーション』も撮っているし、そして『ストレイ・ドッグ』というね。
なかなか曲者なので注目していきますw
『21ブリッジ』
チャドウィック・ボーズマンが曲がったことが大嫌いな誠実でクールな敏腕刑事。
夜のニューヨークを駆け巡っての警官殺しのコカイン強奪犯を追い詰めるやつです。
アクションとスリルのある良作。
タイトルの通り21ブリッジってことで、犯人捕まえるために21個全部封鎖します。
そもそもマンハッタンに21個も橋があるとは思っていなかったが、あんまり橋は具体的には関係ない内容で、橋を使ったシーンもゼロw
その部分で肩透かし感はあったが、冒頭から警官がバタバタと容赦なく殺されまくってのただならぬ事件発生してて、殺意バリバリの警官たちが集まってきては緊張感高まっていくアクションスリラーではありました。
一見単純な強盗殺人のように思わせてのワケあり裏ありの不都合な真実が隠されていたという面倒な事件なんですが、それはまぁ大まかには思っていた通りの話なのでいいとしてw、ブラパンさんのカッコ良さと危険すぎるテイラー・キッチュ、銃撃戦の上手さやスピード感のある展開で最後まで飽きることなく見ることができる。
JKシモンズやシエナ・ミラーのキャラも使い方も、そうなるんだってなんとなく分かっていたけど、ちゃんと楽しめたので特に文句はないですW
良識のあるエンタメですね。
あと、NYPDの警官の待遇良くしてあげてほしいって思いましたw