『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』

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これなんかは同時に借りたゲオでのラインナップの中では、一番マシで、一番ちゃんと作ってました。

しょーもないC級映画ばかりだったので、余計にその出来のマトモさが際立っていた気がしましたw
たぶん冷静に考えればこれぐらいがごく一般的なクオリティなんだろうけどw

ワンハリ効果なのかどうか知らないが、最近関連作が色々作られてるチャリマン教団とシャーロン・テート殺人事件に基づいたサスペンス・ドラマ。

ごくごく真面目な神経で作った実話物なんで、悪ノリもないし、趣味に走ることもないです。

チャリマンが説く終末論ヘルタースケルターやってくるって信じ込んで、言われるがままに殺人実行した女たち。
コイツらが逮捕されたその後の話。

獄中でもずっと洗脳解けずに、チャリマンに心を支配されてる女たち。

まさにチャーリー・セズの道のみが唯一という一本調子w
チャーリーがこういった、ああいったってのが彼女たちの価値観の土台。

どっかの辺鄙な汚い牧場乗っ取って、ひきこもり生活送ってただけあって、まるで文明的な話が通じん女どもw

実社会の外部の情報遮断されて、「ルールなんてない!自由だ!」なんつって口先だけで、チャリマンによるチャリマンのためのチャリマン統治だったのだ。

「チャリマン」がルール。
しっかり牛耳ってましたw

教祖チャリマンがどんな人間だったのかも、女たちの当時を思い返すフラッシュバックで的確に説明してくれて、今まで知らなかったチャリマンの人となりについて知ることができました。

「正当化」のために聖なる聖書やら人気のビートルズ利用してたのも頭使ってて、口先の口車も上手くてなかなか素敵な人柄でしたw

自信もないし、自己肯定感も低く、心の弱い女たちが、チャリマンに取り込まれて、とりとめのないアホなデタラメを妄信しちゃって、殺人まで犯しちゃったのだ。
そろいもそろって全員冴えないブサイク女だったというのが余計に哀しいw
だからこそ、このマンソンの女たちの末路には切なくなりましたー。

性的にも、精神的にも搾取されて、理性も自尊心もぶっ飛ばされちゃう優れた恐怖政治だったというのが実態。
チャリマンってやっぱやり手だったんでしょうね。

ギターかき鳴らすの趣味のチャリマンさんが、音楽の道で本気で成功しようとしてた辺りも初耳。
しかしながら、実力が無力すぎて現実から残酷な仕打ち受けてしまい、さすがにひっそりとプライド崩壊。

社会への敵意となり、運命の殺人計画へと向かっていく。

女どもは残忍な殺人者でありながら、この忌まわしい環境で人生台無しにしちゃったというある意味で環境の犠牲者としてこの映画は描く。

気の毒に思った優しい学者さんが、色々と策を講じて、ちゃんと洗脳解いてあげて、マトモな精神取り戻してくれました。

洗脳中は殺人自体は「教え」に基づいた正当な行為だったけど、洗脳解かれちゃったら、ただの無意味な殺人犯しただけという事実に向き合わされて、罪悪感に苦しみ後悔させられるので、それからが本当に辛いんだと思う。

ちゃんと何をしたのか理解させ、償わせるべきというこの学者さんが女どもに色々教えてくれて、膝附合わせて辛抱強かった。
教育ってゼロからのスタートなので大変な作業ですよね。

洗脳されてた方が自主的に何にも考えなくていいのでラクな道だが、それは結局は自分勝手な現実逃避でしかないのだ。
更生を信じる司法がそれを許すことはもっと罪深い。

チャーリー・セズって言わなくなった彼女たちは立派に反省してました。
偉い犯人たちだった。

直接的な殺人描写は控えめですが、地味でも見応えある力作なのでぜひ。

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