ぶっちゃけ、今年のNetflix映画はなんか調子外れ。
いつもの元気がないというか、ユルいんですよね。
決して悪くはないけどw
攻めてはいるんだけど、なんか力を出し切れていない感じ。
だけど、ここに来て目が覚めるような一本が登場。
この映画はね、凄く良かった。
いい意味で、期待を裏切りまくってたw
たぶんオレを含めて多くの人が思っていた映画にはなっていない。
想像していた通りだと安心はするけど何も得るモノがないので、こーゆー想定外って嬉しい。
『トリプル・フロンティア』。
コレって志がかなーり高いと思います。
うだつが上がらない日々を送る退役軍人の中年オヤジたちが、一念発起してコロンビアの麻薬カルテルから強盗するというとんでもなくヤバい話w
このデンジャラスな粗筋でありながら、ハリウッドお得意の殺し合い展開に発展しないのだ。
デビッド・エアーの映画に近いバイオレントな犯罪映画を想定していたんだけど、実際はまるで違う。
軍人、コロンビア、麻薬と要素は揃っているので、作ろうと思えば作れる。
そっちの安易な道を選ばなかった監督は勇敢だし、偉いと思います。
エンタメ寄りの犯罪映画やアクションスリラーではないですね。
ジャンルとしては犯罪映画なんだろうけど、いわゆる「映画」としてのファンタジー感ゼロ。
そう。
どこまでも「現実」を見せ付けられるのだ。
切羽詰って、必死すぎた男たちの悲哀がどこか冷徹な視点でヒンヤリと描かれる。
つまりクールw
元軍人の集団が麻薬組織にケンカ売る話なのに、このクールさw
前半の奇襲シークエンスなんて結構な数を殺してるし、ドカーン!って爆破なんかもしちゃってる。
でも、そこに「盛り上げてやろう!」って感情が皆無。
常に淡々としているんですよね。
考えてみれば、このJ・C・チャンダーって監督はクールな作風に定評がある。
前作『アメリカン・ドリーマー』でも評判だったリアリズム演出が今回も冴えている。
製作総指揮は『ハートロッカー』のキャスリン・ビグローなので、戦場での男同士の友情や絆って部分へ憧れや理想が見えるが、熱くなりすぎない冷静さはやっぱチャンダーさんの手腕。
麻薬組織からの報復よりも厳しい現実を突きつけられる男たちの熱くはないけど、男らしいドラマが泣けます。
ベンアフなんてどうしても『カンパニーメン』と被るので、やっぱ泣けるわけですw
大作の風格を持ちながらスマートで、コンセプトは抜群に生かされ、キャストの演技も素晴らしく、想定を崩してくるストーリー展開。
そろそろ感じられるNetflixの本領発揮の気配w
独特で捻くれたセンスを良くも悪くも発揮してくるNetflix映画w
今後も調子に乗ってドンドカ発表してもらいたいですねw