『藁にもすがる獣たち』
親の介護、借金、DVなんかで苦しんでる小市民がブランドバッグに詰まった大金めぐって、人生逆転図ろうともがく群像劇スタイルのクライムスリラー。
みんなが人生に切羽詰まってて、藁にすがる思いで大金手に入れたい切実な感じ、凄く出てました。
サクセスストーリーは誰のものになるのか見ごたえありました。
誰もがうまい俳優しか出てこないし、クセのあるキャラクターばっかで、どうなるのか予測できない話も面白くて、ラストまで気が抜けなくてあっという間。
時系列が巧みに入れ替えられて、後半からあれよあれよという感じでみんなの思惑のパズルが完成していく。
複雑なチャプターのまとめ方は理想的というか完璧というかハッピーエンドってことでいいのかね?w
一切ムダを残さず捌いたスッキリ感で、いうことなしで拍手したいです。
刃物でとりあえずザクザクしちゃう韓国のいつもの趣味も健在。
人でなしなクソ女を心無く悪魔的に演じ切るチョン・ドヨンとか最高すぎた。
傑作の部類。
『同窓生』
韓国が得意とするスパイ物のアクションスリラー。
意地クソ悪い北朝鮮に人質に取られた妹のために、韓国の高校に暗殺請負スパイとして潜入させられた青年の話。
ムダ口叩かず行動で示す主人公の胸に色々な感情を秘めて孤独に戦う姿とクールで生々しいアクションが見物。
キム・ジョンイル委員長死ぬか死なないかの北朝鮮側の揺れる政権の大人な事情により、存在が負担とされて政治的に邪魔になり平然と裏切りられる工作員たちが気の毒。
悲哀感じさせるストーリー。
主人公が妹と名前が同じということで妹の面影に重ねて友達になる同級生の女の子との関係性が泣けたりする。
北から送り込まれる冷酷な敵の工作員たちよりも、学校の陰湿いじめっ子の方が圧倒的に不快で悪であり、『イコライザー2』のタワマンでのレイプ魔エリートぼっちゃんたちをボコボコにシメ倒すデンゼル・ワシントンのごとくイジメっ子たちを淡々と大けが負わせて退治する場面は痛快w
爆破シーンも銃撃戦も格闘も撮るのが上手すぎて、当たり前のように難なくアクション映画をサクサクと撮れる韓国映画の映画作りの確かさ。
尊敬してしまいますねw
面白かった。