『デトロイト』

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おっかなかった!

すんげー実話があったもんですね。
いや驚いた。

デトロイト暴動の真っ只中に投げ込まれてしまったかのごとく圧倒的な臨場感がハンパなかった。

フザけておもちゃの火薬銃を窓の外にむけて発砲してみたら、スナイパーだと勘違いした警察が大挙し、無防備な黒人への執拗な拷問が始まり、なんと殺害にまで発展してしまうという実話。
目を疑うような衝撃すぎる地獄映画でした。

街で暴動が始まって緊迫していく前半、黒人が大嫌いすぎる差別主義の白人警官によるネチネチとした尋問と不当なリンチ、殺人の中盤、そして差別意識に基づかれた不当裁判を描く後半。

監督は、ビンラディン捕獲作戦を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』なんかも作ってるキャスリン・ビグローさん。
作品が硬派すぎて監督が女性だってついつい忘れてしまうけど、ジェームズ・キャメロンの元嫁ってぐらいなので肝が据わっているのは間違いないですw

ハードな戦争映画や社会派サスペンスを次々と発表してきますが、毎回驚くべきクオリティの高さで、マトモに映画作れる女性監督ってこの人ぐらいだなって確信してます。

『デトロイト』とか傑作すぎだろって思うw

画面の緊張感が凄すぎてほとんどドキュメントみたいな迫力だし、役者がみんなメチャクチャ巧くて、すべてのシーンがとにかく一触即発な空気。
構成がしっかり考えられているし、人種差別による迫害を糾弾しつつ、死ぬか生きるかの状況下で露呈される人間性をちゃんとあぶりだしてくる辺りはやっぱ冷静だなって感心してしまう。

観ている自分までその場所で選択を迫られているような意味でも臨場感がハンパなかった。

そもそもこの実話を、今この時期にあえてチョイスする選択眼がキャスリン・ビグローはイケメンだなぁって思いますw

閉口してしまうようなあまりにもおぞましい実話だけど、長さはまるで感じさせない作品力が見事。

なんとも凄まじいエネルギーが込められた力強く、なおかつ知的な作品だった。

ゾッとさせられる話だが、「映画を観た!」という満足感は間違いなく保証してくれる傑作サスペンス。

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