実録の犯罪ドラマです。
面白かったです。
安定感のある安心安全の一本。
ボニーさんとクライドさんの話って何度も映画化されていると思うけど、本作はこの二人を追い詰めて、退治した捜査官側のドラマ。
この物語において、初めての視点なので新鮮な気持ちで鑑賞できました。
警官殺しまくって、スター的扱いで民衆にも大人気のやりたい放題の強盗カップル、ボニーさんとクライドさんを阻止するために、犯罪捜査のベテランである二人の元テキサス・レンジャーズが逮捕に駆り出されるのだ。
ケビン・コスナーとウディ・ハレルソンというもはやオッサンすぎるバディコンビが最高。
メタボでくたびれた老体を酷使して、ハードな追跡にヒーヒー言いながら臨む二人の哀愁が泣ける。
テキサスっつーことで、アメリカ南西部を舞台にした実録映画に定評のあるジョン・リー・ハンコックが監督。
この監督は出身もテキサスだし、たぶん思い入れが強い。
そのおかげで、土地とキャラクターが断然魅力的に描かれてた。
なんか世界観が違いますよね。
アメリカの他の土地と。
どこか独自の社会を築いてるというか、特徴的で面白い。
実話に基づいているということで奇抜な演出はないけど、やっぱね、ちゃんとしてた。
この監督は凄く丹念にシーンを積んでいくのでヘタなことをしないし、ムダにスタイリッシュにもならない。
どこにも間違いがないですよね。
ラストの蜂の巣はやっぱ衝撃。
『俺たちに明日はない』のあのラストも今でも忘れられないしね。
蜂の巣は個人的にツボなんですw
デビッド・エアーの映画でもあったよね。
蜂の巣演出にはどうしてもテンションが上がってしまう。
蜂の巣で終わるってのはこっちも分かっているので、蜂の巣へと向かっていく緊張感で後半はピリピリしてた。
コスナーとハレルソンの表現する男の悲哀が泣けたし、ストーリーとしては「空しさ」が余韻として残るのが凄く良かった。
手段を選ばない汚れ仕事を解決した後のなんとも言えない後味の悪さですよね。
犯罪を止めるためにはそうするしかないんだけど、全然嬉しくないというか、「あー、やっちまった」みたいな複雑な心境。
ジョン・リー・ハンコックさんは名手だなぁと改めて感動させられた一本。
オススメです。