めちゃくちゃ面白かった。
どうなんだろーって不安あったけど、すぐに吹き飛ぶほどこれは面白すぎた。
フェイズ4本格始動って感じ出してましたね。
マーベルの勢い、ますます止まらないんじゃないですかこれ。
わくわくちゃったなー。
どっかの見たことも聞いたこともないようなアジア人が主役ってことだし、シャンチーって中国将棋のイメージしかないので、マーベルが興味本位で中国だの香港だののアジアっぽさに手を出しただけの変なB級映画だったらどうしようって思ってました。
本音ではね。
いい意味でこれはマーベルの上を目指していこうって気持ちがバリバリ詰め込まれた野心作になってました。
テンリングスって俺は全然覚えてないんだけど、MCUにおいてはなんか相当に重要なアイテムみたいだし、そんな名前の組織があるんですね。
フェイズ4以降の今後の展開に影響大ってことで理解していいんでしょうかね?
忘れないでおこうっとw
ホテルの駐車係として気ままに暮らす好青年シャンチーさんが、育ちのルーツに秘密ありなワケありペンダント狙いのどこぞの悪党から突然の襲い掛かりに遭うんだけど、実は普通の状態でもめちゃくちゃに強くて驚かされて、同じく同僚で親友のオークワフィナがすかさず笑いとっていく寸法が前半。
シャンチーさんはアクション担当で、オークワフィナはお笑い担当でキレキレしてて、得意分野でバランス力保ってました。
ペンダント狙い事件を機に、アメリカ生活に馴染んでたシャンチーさんがひた隠しにしてた殺し屋英才教育一筋の子供時代という忘れたい悲しき記憶しかない故郷への旅路によって、平和な駐車係人生は大きな転機。
古き永き犯罪組織テンリングスの大ボスが父親だったりして、それがトニー・レオンだったりするわけなので、後半は事態が急展開して凄いです。
中国へと移動してからの暗殺者ファミリーの涙なんて一個も出ない殺伐とした再会からがシャンチーさんの新しい運命の開きどころ。
思いがけない秘境まがいの迷路の森の向こう側の奥にひそひそ暮らししてた魔法の世界へと誘われてしまい、地味な前半の格闘アクションからの結構想定していなかったぐらいに大胆な本格超能力決戦とモンスターバース展開w
魔法と魔物の超常話へとなだれ込んでいく辺りから、あー、コリャやっぱマーベルの作品なんだって納得しましたw
風が揺らいで、木の葉が舞う視覚効果とグランドマスター感漂うロマンティックなカンフーシークエンスなんかもあって、いい具合にマーベル世界観の中にアジアな異国情緒作りだすことにも成功。
トニー・レオンが美人すぎで善良すぎてたあまり故カミサンへの諦めの悪さと執着心で正気を失ってる感じや子供たちへの複雑な愛憎もすごく重いし、テンリングスの使いこなしっぷりとかも含めて、この人は存在がなんかもーやたらとドラマティックなんですよまったくw
ポリスストーリーで、グリーン・デスティニーで、トゥモロー・ネバー・ダイで、レディ・ハード/香港大捜査線でもあるミシェル・ヨー様が、父親へのネガティブ感情を内に秘めた怒れるシャンチーさんを優しく、包み込むように諭し、導く叔母さんにして師匠の風格ね。
トニー・レオンとミシェル・ヨーという偉大な大黒柱な大御所が、ノリと勢いが命の若々しさがついつい空けがちな脇をしっかりと固めて万事に手落ちなく、ガチャガチャ騒がしい画面に重厚感と安堵を与える。
このキャストの素晴らしさからも、シャンチーの本気度がうかがえます。
マーベルの新しい重大局面を思い知らせるのが、このシャンチーです。
ついにフェイズ4に突入してしまった感が、本作によって明確化しました。
だから傑作です。
フェイズ4、今度こそ始まりました。