『私というパズル』
死産を描いた作品。
耐えがたいほどに、想像を絶するほどにそれは苦痛なのである。
死産の後のショックと喪失感を抱え、周囲の無神経な言動に傷つき、胸が張り裂けそうになりながらも時間を経て、自分を取り戻す女性の話。
全編を通して登場人物が抱える感情の生々しさが伝わってきます。
冒頭の出産シーンと中盤の家族の集会シーンが長回しでのすさまじい緊張感で特に目が離せない。
それまで悲しみと混乱に支配されていた主人公が、自分の中で答えを見つけ、死産の夜に何があったのかを告白してくれるラストが素晴らしかった。
赤ん坊は確かにこの世に生まれてきた。
それがたとえ一瞬でも。
リンゴの木が証明しつづける。
望まれ、愛されたという圧倒的真実。
本作はヴァネッサ・カービーさんがあまりにも名演技。
ヴァネッサ・カービーさんを敵に回すなと言いたいw
夫役シャイア・ラブーフさんがエモーショナルで、チンコ丸出し勃起させてまでの熱演でこれまた本気出していて泣けました。
ネトフリ映画においては最高傑作の部類。
『密航者』
まずタイトルがいい。
カッコいいし、本編を見た後だとなにやら意味深。
凄く地味だからこそのリアルな心理ドラマが楽しめる本作。
ありそうでなかった宇宙空間でのサスペンスでした。
面白かった。
火星へと旅立った宇宙船は三人ミッションで、三人許容の、全部三人設定が基本。
宇宙に飛び出てから、四人になったり、五人になったりすることは誰も想定していない
それなのに、途中からいきなり一人増えるというトラブル発生。
お前はなんでそこにいるんだよ!ってツッコミはもちろん入るが、理由はともかくいるんだから仕方ないってことになって、とりあえず一緒に仲良く航行するわけですw
だけど、コイツの悪意のない気絶見つかり状態のせいで、何やら酸素作る装置もがっつり故障してしまった致命傷が発覚して、これはとっても良くないとw
コイツの存在は正直迷惑なだけなんですが、人柄がイライラするほどいいヤツなので憎めないから余計に辛いという方式w
要するに、四人は生き残れま船なので、どーすんの?って話ですw
誰かが犠牲にならないとならない厳しい状況なんだけど、みんなのためにあなたは死んでくださいとも言えないし、かすかな希望や申し訳程度の作戦やらに肩落として涙ぐみながらすがってみるのだ。
なんとか考えうる目の前のやれること全部やって、それでも夢も希望も作戦も尽きた後での狭い宇宙船は、もう死ぬしかないんだと悟った時の絶望と虚無感漂ってましたw
そして、死刑宣告である太陽放射線攻撃の追い打ちw
宇宙人もワームホールもブラックホールも出てこないが、それらの宇宙ホラーとは一線を画す面白さを立派に示してますこの映画は。
相手の生死を決めないとならないジレンマがじりじりみんなの間でキリキリ緊張感生んでいて、こっちまで酸素少なくなってきてる気持ちの息詰まりアトラクション。
傑作でしたし、アナケンが凄くいい演技してた。
アナケンのために観て。