突然のメチャクチャな旧作登場ですｗ
すんませんｗ
そこはかとなく韓国映画にハマっているしがないオッサンの身のため、恐縮しながら古典の名作を恥ずかしながらドキドキ初鑑賞。
そうなると、チョイスとしてはパク・チャヌクあたりで落ち着いてみせるのが常識的で、真っ当な判断ｗ
なんとなく選んでみた『親切なクムジャさん』は最高の復讐映画でした。
頭切れてて、ダークで、笑えて、容赦なくて、深みもあって、断然心打たれました。
イ・ヨンエさんがメチャクチャ美しくて、この美しさの前ではやることなすことすべてが正当化されるべきだと思わせるほどの残酷なまでの美しさ。
幼き娘人質に取られたために、真犯人の身代わりとなって幼児誘拐・殺人の罪を被り、13年間服役したクムジャさんによる13年間越しの、13年間温めつづけてたマジで親切な復讐計画が実行されてました。
この服役期間のムショ生活での囚人仲間へのお人良しなフリした親切風景と現在のクールで冷酷な復讐っぷりの併せながらの構成で、描き出されるクムジャさんのキャラクターがスゲー魅力的。
計算づくで恩を売りまくってたムショ仲間たちをしっかり利用しての出所後のムダのない行動のカッコ良さがバリバリにセクシーだったし、服役中でさえ邪魔者はちゃっかり排除していたあたりがさすがのクムジャさんの復讐成功のための信念の強さ。
デブで汚いオバサンによる刑務所でのクンニ強要は、チェ・ミンシクさんのライフワークである幼子連続誘拐殺人と同じぐらい不快で、悪魔的で、罪深い。
クムジャさんこそ正義なのだ。
いやでも、タイトル通りクムジャさんがマジで親切だった。
後半、ある衝撃極まる事実が判明してからは自分のエゴや復讐優先しないあたりが人格者で、大乗利他の精神。
社会貢献の口先だけではない真の体現者。
事件に関わるみんなの気持ちを汲んで、一同集めて、「何があったのか」を映像としてまざまざと見せつけて判断材料を提示してから、しっかりと民主主義の場を設ける良識とセンス。
大好きです、クムジャさん。
ダークヒーローらしくレザージャケットとアイシャドウも似合ってたし、ソン・ガンホの後頭部に風穴開けるSF映画に出てくるようなゴツい銃もカッコよかった。
イ・ヨンエが名演技すぎて感動が深すぎるあまり、またしても意識を失いかけました。
被害者を救えなかったという良心の呵責と罪悪感も心に秘めて、哀しくも無慈悲な復讐者クムジャさんが着々と仕掛けていくおどろおどろしい復讐劇なんだけど、野蛮なストーリーの中にどこか絶妙にブラックな笑いを盛り込んでくる不敵な演出が素敵。
つーか、ビジュアルのセンスが全編良すぎてビビりました。
エモいとかのレベルじゃなくて、もう映し出される映像自体がストーリーの理屈を超えてくるインパクトと迫力あるんですよね。
パク・チャヌクは映像で相当心に訴えてくる力量が高度ですよね。
さすがすぎる。
名作でした。
