『エール!』

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もしかしたら観に行くかもしれない『コーダ あいのうた』に臨む前に、フランス版のオリジナルをプライムで鑑賞。

これは良かったですね。

題材的にトーンの暗いしんみりした作風かと思っていたが、全然真逆というか、明るく、ある意味「動物的」なキャラクターの生態を見せられるw

セックス大好きすぎる両親が、子供いようがお構いなく真昼間から喘ぎ声かましてのハッピータイムw

娘の生理到来に浮かれすぎてホッカホカの血のついたパンツ持っておおはしゃぎする母親w

姉の友達に欲情するも、コンドームアレルギーで失神する弟とかw

笑うしかないw

フランスのパリから遠くて仕方ない自然と野性の力に覆われた片田舎町で、家族で搾乳に、放牧に、チーズ作りにと明け暮れる酪農経営を営むたくましい一家なだけあるわけですw

そんな感じでアメリカの過激な下ネタとも違うんだけど、お国柄の色濃いあけっぴろげで露骨な性描写が個性的で面白くてめちゃくちゃウケるが、苦手な人もいるかもしれないw

聾唖者の両親、弟と健聴者の娘というなかなか描かれないタイプの特殊な事情を抱えた家族の切実な葛藤と優しい家族愛が、コミカルなタッチで描かれる。

社会によって歌の才能を見出されたことで、自分の望む道と家族への責任の間で揺れる少女。

耳が聞こえて、手話もできるという娘の存在が、日常生活・仕事などあらゆる面において世間とコミュニケーションをはかることのできる唯一の手段である聾唖の両親。

娘の美しい歌声を、耳から受信できる周囲は認められるが、一番認めて欲しい家族には伝わらないというやるせなく、悔しい現実。

両親にとってはいないと困るに違いない娘なんだけど、それでも個人としての意思や目指す夢を尊重し、応援し、幸せであることを願うのが家族という絶対的な味方であり、だからこそ、自分の人生に向かって歩き出す娘を清々しく送り出すラストが感動的だ。

最後の見せ場であるオーディションでの、両親を前にした手話で歌詞を伝えながらの歌唱シーンでやっぱ相当泣けた。

あの表現は泣ける。

観る前から分かってはいたが。

歌声は聴こえないが、娘のハートが何を伝えているかは聴こえるのだ。

それが聴こえた時、自分の娘を本当に誇りに思える。
だからこのシーンは泣けるのだ。

でも、それ以上にお父さんに泣かされた。

かなりコメディ色が強いが、お父さんが真顔で娘の才能に向き合い、理解し、気持ちを汲み取っていく辺りから涙。

少女の歌の才能を発見し、開花させようと励まし、サポートするコーラス部の顧問の先生もいい味。

ドラマや人間関係などは思っていたよりあっさりした作りだが、誰もが観るべきいい物語のいい映画だった。

そして、これが英語だったら100倍泣けるかもしれないなと思うと、『コーダ あいのうた』観たら脱水症状で倒れるかもしれないと懸念w
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