バスケのルールも知らんし、体育の授業でもほとんど怠けて無視してたし、コンバースびいきのコンバース生活なのに、世界を変えてしまった歴史的神アイテムなマイケル・ジョーダン特化型スニーカー、エアジョーダンについての感銘受けるに違いない『AIR/エア』なんぞを軽率に鑑賞していいのかと心苦しく劣等感と罪悪感に苛まれたのだが、葛藤の末ヘラヘラと観ちゃいましたw ポテチ食べながらw
作ったのは、絶対に外さない確実なベンアフ監督です。
だから分かってはいたけどめちゃくちゃ面白かった。
強烈な直感と大いなる覚悟、飽くなきチャレンジ精神で、NBA入り前の若きマイケル・ジョーダンの可能性に未来を見て、これ以上考えられないような恐るべきリスクをあえて取りに行き、NIKE最大のヒット商品を生み出すことになる運命の契約をモノにするにバスケ部門のビジネスマンたちの奮闘がカッコよすぎるし、マジでクソ熱い。
そのクリエイティブな過程が描かれていて最高にエンタメ。
業績不振の停滞するNIKEバスケ部門の救世主となるマット・デイモンの頑固に、信じる道を貫き通す姿がマジで良すぎた。
マット・デイモンはやっぱ名優だわなんだかんだでw
そんでもって、久しぶりの甲高いマシンガントークに貫禄と哀愁までも表現する中年クリス・タッカーが凄くいい!
マイケル・ジョーダンの母親にして、本人以上の理解者、クールだけど柔軟な物腰のビジネスの交渉代理人を演じるヴィオラ・デイヴィスなんかもさすがの迫力。
小手先芸使わずに、画面わちゃわちゃせずに、確かな脚本と確かな演技で腰据えてちゃんと映画作れる人って実は少ない気がしますよね。
ベンアフの手腕はもはや次のイーストウッド。それぐらい信頼のおける人。
従来のビジネスのあり方を覆し、収益分配というシステムの前例を作り、スポーツというカテゴリを超える文化的テロリズムとなる破壊的モンスター、エア・ジョーダンの聖なる誕生の実話『AIR/エア』。
エア・ジョーダン契約はただのビジネスという行為の断片ではなかったんですね。
関わった者たちのプロフェッショナル魂とストイックなひたむきさ、ヒロイズムさえ感じさせる変化のための闘い。
知的でエモーショナルな物語だった。
オレは興奮し、笑い、身震いし、胸熱しました。
今年、最高の映画の1本。たぶん今年のトップクラス確定ですね。少なくとも上半期ではw
ベンアフの能力の高さ、もう円熟の極み。