サモハンはやっぱ偉大だった。
分かってはいたけど、改めて実感w
『おじいちゃんはデブゴン』ってタイトルがコメディを思わせるのに、実際の作品は至ってマジメ。
オレは観て、本気で感動しました。
目玉のカンフーアクションはもちろんストーリーが凄く良く出来ていたし、サモハンの存在感がもはやイーストウッド級の貫禄。
映画的にサモハンって絶対的な存在になってますね。
サモハンがいるからこそ映画は成り立っている。
そこまで思わせる『おじいちゃんはデブゴン』は本当に重要な一本。
タイトルはデブゴン頼りで芸がないが、問答無用な圧倒的面白さ。
原題は”THE BODYGUARD”なので、ケビン・コスナーの映画と一緒だったりするw
どうでもいいことだがw
あらすじは。。。
かつては中央警衛局で要人警護をしていたサモハンは、今は引退し、故郷の村で独りひっそりと暮らしてた。
唯一心を開くのは、隣人の少女チュンファ。
問題を起こしては、サモハンの家に転がり込んでいた。
しかし、彼女の父親がマフィアに関わったことで、チュンファにまで魔の手が及び。。。
という感じ。
サモハンの佇まいが凄く良くて、寡黙で、ただ日々を穏やかに過ごしている感じが良く描かれている。
サモハンに恋心を寄せる世話好きのおばさんやいつもひなたぼっこしてる3人組の老人など近所の住民とのやりとりもほっこりしてしまう。
チュンファとの交流が中心なんだけど、サモハンは『マイ・ボディガード』のデンゼルより心を開いていたし、『アジョシ』のウォンビンより社会的という点でもバランスが取れていて、あの絶妙に安堵をもたらすデブゴンな風貌も手伝って、こちらはニヤニヤしながら観てしまったw
そんな大切なチュンファのためにサモハンが静かに怒りを爆発させていく後半はもう俄然力が入ってしまう。
ついに沈黙を破る鉄拳がひたすら圧巻。
サモハン、強すぎたw
関節技に関しては、ジェット・リー主演の『ロミオ・マスト・ダイ』におけるXレイバイオレンスへのオマージュなわけがないけど、骨が折れる瞬間がXレイ表現されていて視覚的には楽しかったw
カンフーアクションは、いつものことながら言うことなしの血沸き肉踊る出来栄え。
また、サモハンのキャラが豊かに描かれていたのもこの映画の素晴らしさ。
認知症を患っている切なさや、一緒にいた孫娘が自分のせいで行方知れずになってしまったという哀しい過去を背負っていて、人間関係に臆病になっているという人間臭い部分がちゃんとストーリーに対して機能していた。
サモハンがとにかくいい。
魅力が爆発してた。
それはアクションにおいての迫力という意味だけじゃなくて、やっぱサモハンという人となりですね。
サモハンの見た目の愛らしさもそうだけど、デブゴンでありながら品格があり、強いと同時に優しく、緊張の後にホッと安心させてくれるような人なのだ。
アクションだけではないサモハンの人間的魅力が、まさに本作を傑作を超えた偉大な作品にまで到達させている。
『おじいちゃんはデブゴン』は、サモハンを楽しみ、敬愛するにはこれ以上ない最適な一本だ。