ハリウッド監督で、ジャッキー・チェン主演で、相手役は外国人で、バディ映画。
この時点でオレは100点満点をとっとと付けてしまうw
ジャッキーのハリウッド映画ではもはや成功の法則として完成されているので、もうみんなの想像通りの満足度が保証されており、結果的にやっぱり面白くしかならない。
この安定感が凄い。
『ラッシュアワー』『シャンハイ・ヌーン』と続編、『タキシード』と全部面白かった。
特に『タキシード』が好きw
ジェニファー・ラヴ・ヒューイットが可愛いからw
しかも、今回はレニー・ハーリンが監督ときてる。
オレにとってはスピルバーグやイーストウッドと同クラスの天才監督。
『クリフハンガー』でジョン・リスゴーを立派な変態俳優へと昇華させ、『カットスロート・アイランド』でマシュー・モディーンの人生を台無しにして、『ディープ・ブルー』でサミュエル・L・ジャクソンをド派手にディスり、『エクソシスト・ビギニング』で暴走しまくった挙句、『12ラウンド』に至ってはなぜかどっかのゴツいプロレスラーが主演になってた。
このように狂気のフィルモグラフィは、すべての作品が神経を疑うほど面白すぎたのだ。
そんな業界きっての空気を読まないのがモットーのロックンロールな監督がレニー・ハーリンなのだ。
最近はすっかり第一線から引いてしまった感が否めないし、これといったヒット作もない。
POVホラーの『ディアトロフ・インシデント』が素晴らしすぎたが、どーせ誰も知らないw
ロックすぎる人間は理解されづらいし、生きづらい。
カート・コバーンさんだけじゃない。
レニー・ハーリンさんも例外じゃないのだ。
レニー・ハーリンさんは自らの能力と時間を持て余しているに違いない。
そこに救いの手を差し伸べてくれたのが、たぶんジャッキー・チェンってゆー御仏様なんじゃないかって思いますw
心配をよそに『スキップトレース』での演出ぶりには、90年代の勘や勢いが戻っていた。
元気いっぱいで、ノリもいいし、コメディのセンスもあることを証明している。
うつ病の気配ゼロw
凄くリラックスして映画を作っていた。
いいことだと思いましたw
ジャッキー・チェンとの組み合わせは精神的にいいかもしれないですね。
特に新しいことはしていないし、表現がスタイリッシュだったりもしない。
ハードになりすぎないお気楽なアクション、お笑い担当の相棒が気の利いた笑いをもたらし、無難にまとまった恋、友情、家族愛でホロリとさせる。
仏頂面のジャッキー・チェンと口八丁のジョニー・ノックスヴィルの掛け合いは見ているだけでも幸せになれる。
ジャッキー・チェンはサービス精神が人一倍高いというのもひしひしと感じられた。
ひとつひとつのアクションシーンがいちいち楽しい。
昨今のアクションは表現がリアルすぎるが、その分芸がない。
ジャッキーのアクションはアイデアが豊富で、知性と器用さが光っている。
流血もないし、骨も折れないので、ファミリー向け志向の優しい目線がなんかホッコリしてしまうw
心優しいジャッキー映画としてこの映画は完璧。
レニー・ハーリンの現場復帰作としても順調な出だしだと言える。
ブットばしていた時期の作品に比べると物足りないかもしれないが、「レニー・ハーリンは健在だぞ!」って気概が感じられた。
レニー・ハーリンはまだまだアクションが撮れるし、面白い映画を作れるのだ。
そう心に印象づけるには十分すぎる優れたエンタメだった。