Netflixオリジナル 『最後の追跡』は悲哀たっぷりの男の映画。泣かせるぜ!

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いやー、凄まじくいい映画を観ました。
かなーり渋くて、静かに展開する作品でしたが、満足度は高いです。
鑑賞後は舞台となるテキサスの広大な風景のごとく、どこまでも想いを馳せてしまうような確かな余韻を残してくれる作品。

『最後の追跡』はまぎれもなく犯罪映画であり、主人公の兄弟は強盗を繰り返す。
しかしながら、人間味のあるキャラクターが深い感情移入をもたらし、豊かで重厚な人間ドラマとして高く評価するべき傑作だった。

やっぱり人物の表現って凄く大事だなって思う。

主人公の兄弟は犯罪者なんだけど、兄は衝動的で無鉄砲だが根っこは家族想いで憎めないし、弟なんてもはや犯罪者とは思えないw
ぼんやりと捜査に乗り出す退職直前の老保安官とイヤイヤ付いて来る相棒のやりとりも和ませてくれる。
そして、テキサスの住民たちがいちいちいい味出してきて、全体的に現代劇なのにどこか昔の西部劇映画のようで、世界観がほぼ人物の魅力によって構築されている。

どの人物もちゃんと印象に残り、作品世界の土台を作り上げている。

物語にも共感を禁じえない。

兄弟が犯す強盗の背景には、親の親世代から引き継がれる貧困や理不尽な社会のシステムがあったり、退職直前の保安官の悲哀にもなんかグッと胸を締め付けられる。

幸福を望みながら、強盗に手を染めてしまう兄弟と退職後に続く孤独な人生を待つだけの保安官。

人間の人生ってのは本当にままならない。
「こんなはずじゃなかった」という失望と年を取ってしまった自分。
そんな現実に対してあまりに人は無力であるという残酷。

この映画は不器用ながら、純粋に、それぞれの筋を通そうとする男たちの信念の物語。

キャストは全員凄く良かった。
特筆は強盗犯の兄を演じるベン・フォスターと老保安官役のジェフ・ブリッジス。

ベン・フォスターははっきり言って過小評価されすぎ。
間違いなくいつかアカデミー賞とかいろんな賞を取るだろう。
個人的には『3時10分、決断のとき』以来の名演技。

ジェフ・ブリッジスはあの声がいいですよね。
そして、テキサスなまりがこれまた最高w
ぼんやりと、時々ぼやきながら、確実な手腕で強盗犯を追跡する老保安官を、絶妙な表情と佇まいで演じてくれる。
とにかく巧すぎるw

『最後の追跡』は完成度が高い。
物語、人物、演技、ビジュアル。
どれを取っても文句なし。

緊張感があり、メリハリの効いた物語、描き込まれたキャラクター、役者の存在感。
何よりもテキサスという空間の美しさ、特別感がこれほど的確に表現された作品はなかった。

幸運にもNetflixで配信中なので、そこのアナタは今すぐ観るべし!

哀愁度 1億点満点!

公式サイト

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