哀しすぎた!
映画を観て、こんなに哀しい気持ちになったのは久しぶり。
深い深い絶望感で鑑賞後はしばらく暗い気持ちから立ち直れなくなる。
同様に実話を基にした『ドリーム』が幸福な内容だったのに、その後で一気に地獄に落とされるような夢も希望もない『オンリー・ザ・ブレイブ』を紹介ですw
これは悲劇すぎました。
映画が悲劇のあまり、うつむいたまま劇場を出ましたw
2013年にアリゾナ州で発生した巨大山林火災に立ち向かった20名の消防士たちの話。
実話だってことは知っていたんですが、こんな哀しい実話だったのは知らなかったんです。
観る前はもうちょっとベタな消防士礼賛映画を想像していたんですが、そんな甘い幻想を打ち砕いてくれた残酷さでした。
いやー、参りましたね。
映画としてはもう傑作というのはまぎれもないです。
非の打ち所がないので、だからこそ実話という重みがドドーン!と鑑賞側の心に圧しかかってくるのです。。。
消防士たちを演じるジョシュ・ブローリン、ジェームズ・バッジ・デール、マイルズ・テラーなんかは胸を打つ演技だったし、
身の危険を背負いながら恐ろしい炎に立ち向かう男たちは素直にカッコ良かった。
大切な家族と死と隣り合わせの仕事の間には切実な葛藤があった。
そして、ある意味本作のメインキャラとも言える山火事の表現。
これが壮絶。
あんなの目の前で発生したらと思うと冷や汗しか出てこないですw
まさにこの世のモノとは思えない悪魔の所業と言ってもいい地獄絵図。
『バックドラフト』のバックドラフト現象どころじゃないです。
山火事火災はスケールとエネルギーが尋常じゃない。
山火事って文字通り山で起きるのですぐ燃え広がるんですよね。
山って木が生い茂ってる土地なので、火事なんて起きたら逃げ場なし。
周囲がすべて燃えるので、その燃えていくスピードがハンパない。
しかも風、空気など条件によっては想像をしない動きを見せ、結果的にとてつもない巨大火災に発展してしまうモンスター災害なのだ。
そのモンスターっぷりが嫌というほど体験できてしまうのが『オンリー・ザ・ブレイブ』なんですよね。
あまりに熱すぎる無慈悲なモンスターと戦う消防士たちにはオンリー・ザ・ブレイブ、まさに勇気のみが武器だったわけです。
しかしながら、そんな勇気を灰にするかのように圧倒的な絶望がもたらされる。
さすがに心が折れそうになりました。
オレは心のどこかで「こんなの嘘だ!」って信じられなかった。。。
悔しすぎる悲劇を迎える話だが、それでもなお、やはり観て良かったと思った。
消防士たちは人間的には欠点もあるわけだが、そこら辺も含めて魅力的だったし、やはり素直に尊敬してしまった。
『オンリー・ザ・ブレイブ』は見過ごせない作品。
涙も出てこないほど辛く、哀しい実話でありながら、自然と胸が熱くなる一本。
山火事の炎よりも熱い男たちのドラマ。
いずれにせよ『炎のメモリアル』よりどう考えても傑作であることは間違いないのだから必見!w
山火事映画なんてカテゴリーはないだろうけど、その先駆け的作品としてもよろしくお願いしますw
6月22日より全国ロードショーです!