2月8日公開!『ファースト・マン』試写会。

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誰もが知ってるよね。
アポロ11号の月面着陸。

人類史上超有名な歴史的イベントだし、月面への一歩を踏んだニール・アームストロングさんなんかは唯一知っている宇宙飛行士だったりするw

これまで映画化されてこなかったことが不思議なぐらいの知名度抜群のサクセス・ストーリー。

もちろん夢とロマンと希望に満ちたハリウッド・エンタメに違いないって疑っていなかったし、
ちょっと前に観た『ドリーム』に近い痛快作を期待していたのがオレw

なんとそんな軽薄な期待とは真逆のクールな作風に戸惑ってしまったw

凄まじく地味で、鬱々とした演出スタイルに驚愕した。
デイミアン・チャゼル監督の前作『ラ・ラ・ランド』と対になっているとも言える作品。

話はサクセスなのに、常に死の臭いがつきまとい、まるで葬式みたいなテンションが延々と続く。
ドラマティックに盛り上がる場面なんて一個もなくて、熱い涙より背筋に感じる悪寒という表現が適切w

前人未到の月への有人飛行計画のおぞましい全貌が、ひたすら淡々と、黙々と、克明に描かれる。

演出は地味ながら、恐ろしいぐらいのリアリティで提示されてくるので、こっちはその実話としての重みを受け止めるしかない。

国家の威信やプライドの犠牲となった宇宙飛行士たちの連続死亡事故。

莫大な予算をつぎ込む価値なんてゼロで、まったくもって時間と労力と命のムダにしか思えなかった。

夢だのロマンだのノタまっていた自分が恥ずかしいぐらいに重く、苦しく、正気の沙汰とは思えないクレイジー極まりない有人飛行計画。

そして、娘の死がもたらしたニール・アームストロングさんの知られざる一面。
本当に哀しすぎたし、ほとんど精神を病んでいたからこそ自殺ミッションのような無謀な計画に突き進んでいったのかもしれない。
だからこそこの計画は成功したのだという皮肉にもゾッとさせられた。

『ファースト・マン』は、人類史に残る偉業と思われてる(実際は呪われていた)月探査計画の裏側を知ることができる。

華やかさは一切皆無で、派手じゃないのに話に迫力と臨場感がありすぎて圧巻。

英雄と言われていたニール・アームストロングさんの心の闇をライアン・ゴズリングが抑えた名演技で表現。
胸に秘めて悶々としている姿とか、時々『ドライヴ』の主人公に見えたりして、いつブチ切れるのかと心配になった。
まるでサイコ・サスペンスの緊張感w

失敗したアポロ13号の映画の方がよっぽどハリウッド的サクセス・ストーリーな感動作になっているというのもなんか面白いw

『ファースト・マン』は色々と想定外で、驚かされたという意味でも凄く傑作でした。

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