ベトナム戦争反対を叫ぶ運動家7人が暴動扇動で問われるNetflixの『シカゴ7裁判』です。
これがまたメチャクチャ面白かった。
法もクソも無視するキチガイ裁判長がインチキしまくって、見たこともないまさかすぎる横暴連発の凄絶な実録裁判ドラマ。
裁判始める前から正義も真実も関係ないという衝撃の茶番劇で、これが本当の実話なんだってゆーことで、ウソじゃないのが驚くべき実話。
裁判長がぶっちぎりに頭おかしい時点でマトモな進行がムリなので、ほぼ諦めモードな被告側もマジメに取り組む姿勢ゼロで裁判中にフザけまくるのが楽しすぎw
何が何でも裁判長役のフランク・ランジェラさんが面白すぎたw
誰もが認めるアカデミー賞助演賞受賞レベルの名演で、これでノミネートさえされなかったら世の中の何かが間違っているとしか思えません。
検察官をクールにこなすレヴィット君も運動家エディ・レッドメインも弁護士マーク・ライランスもひたすらキャストの配置がもう頭狂ってるとしか思えんほどに冴えまくった映画。
そんで、完璧にキマりまくったキャストを機動するこの脚本のとんでもない面白さったらありえんわけです。
アーロン・ソーキンは好きな映画の本ばっか書いてるから信頼度が違うしね。
最高級に傑作。
いやー、感動しました。
声を上げて主張することって大切ですよね。
正しいことは正しいよ、間違っていることは間違っているよって。
自分がそう思うなら、相手に伝えないとダメ。
一人の知性ある人間として正当性を社会に訴えるべき。
個人の権利であり、社会への責任でもある。
とにかく発信しないとダメだわ。
その尊い行為で何かを変えられることがあるかもしれないしね。
社会の側から黙れと言われても、絶対に言うこと聞いちゃダメ。
みんながそれぞれの立場と思想で自分を主張しまくって、ギャーギャーうるさくノタまい合う話を書かせたら、アーロン・ソーキンを凌ぐ人はいませんマジでw
そりゃなんつっても、アーロン・ソーキンですからね。
最近の一番有名な仕事だと、『ソーシャル・ネットワーク』書いた凄い人だし、これもキャラクターが自己主張しまくって騒がしい映画だった。
90年代なんかは『ア・フュー・グッドメン』の戯曲書いてるし、オレの一番のベスト・オブ・ロブ・ライナー映画である『アメリカン・プレジデント』まで書いちゃってるという天才な奇跡の人。
『マネーボール』も忘れちゃ失礼ですね。
そんな理由で、この人の書くヤツは全部好きですね。
監督作としては『モリーズ・ゲーム』以来の2作目らしいです。
で、この前こっちも観たけど、やっぱりアーロン・ソーキンならではの白熱自己主張映画になっててかなりエキサイティングでした。
ジェシカ・チャステインさんのキャリアでは、『ゼロ・ダーク・サーティ』『女神の見えざる手』に並ぶ迫力演技で慄きますw
こいつがこう言っては、あいつがこう言うみたいな感じで、みんなが色々と言い合うことで話が展開し、だからこそキャラクターについて理解できるし、お互いの摩擦でドラマが生まれる。
『シカゴ7裁判』はアーロン・ソーキンが現代最高級の脚本家であり、監督としても役者の魅力をこの上なく的確に表現でき、心揺さぶるストーリーテラーであることの証明なのだ。
ラストの感動がこれまたアーロン・ソーキンの頭キレッキレで泣けました。
大傑作!
超オスススメ!