『インフィニット』は拾い物の嬉しさでした。
これは見てない人が多いだろうけど、間違いのない脚本と演技で満足度は高いと思います。
なんつっても、今ハリウッドで最も熱いプロデューサー、ジェイソン・ブラムによる製作です。
『パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』『ゲット・アウト』『ヴィジット』『スプリット』とヒット作の裏には必ず彼がいます。
ほぼホラー中心だけどw
『インフィニット』はホラーじゃないです。
ある意味、ヒーロー映画と言えるかもしれない。
両親亡き後、妹を養うため路上でのマジックショーと麻薬の売買で生活費を稼ぐ少年の話。
この少年には「ある能力」があるんだけど、それがこの映画をユニークで、興味深く、面白くしてる。
主人公が披露するマジックがいちいちブットンでいて面白いし、前半はそれだけでも十分楽しめる。
後半は、麻薬の関連で登場する危険な犯罪者との関係で緊張感が増していく。
恋人も出来るあたりから、主人公の中でうだつのあがらない状況を打開したいという気持ちが高まっていき、話が物騒に動き出す。
何気ない日常のシーンからスリリングな映画へと展開していくんだけど、そこが自然で巧い。
そこから主人公の「ある能力」がとっても重要になってくる。
そして、もはや平凡な日常からダークな犯罪スリラーとなり、クライマックスはほとんどスーパーヒーロー映画なのだ。
この映画は自然体の演出が本当に素晴らしくて、それはストーリー展開に限らずキャラクターもそう。
主人公を中心に周囲のキャラがいちいち自然体でいい。
妹も恋人も隣人もなんか本当にいるだろうなって思わせる説得力があった。
生活感ややりとりや会話が本当に自然体。
役者がみんな能力が高いんだろうなと感心します。
『インフィニット』はストイックな黒人映画とも表現できます。
ファンタジーすぎる『ブラックパンサー』なんかよりマジメに黒人をちゃんと描いているんじゃないかって思いますw
実際、リアルな生活風景や家庭環境の場面が確かに多いです。
そのため時々、退屈になりそうになりますが、目が覚めるような強烈なバイオレンスが描写されたりする。
絶妙に退屈に陥らないのだ。
たぶんインディーズ映画のような制作費なんだろうけど、本当にマジ面白いし、カタルシスも味わえる。
たぶん相当才能が豊かな人が作ったんだと思う。
この人にはどんどん大作を任せれば、絶対に結果を残すだろうなと確信。
大作ではないが、しっかりとした演技が見れるし、工夫と知恵の溢れた優れたエンタメだった。
しかも、続編が観たいと心から思わせてくれた。
たぶんもう旧作なので、機会があったら借りてみてください。