凄く見たかった作品。
タイトルが「移動都市」ですからね。
「何それ?!」って心底不思議がらないヤツなんていないよね。
都市なのに移動するなんてほとんどオカルトじゃんw
あまりに謎すぎる。
かつて移動する都市なんて観たこともないし、聞いたこともないので想像がつかない。
都市が移動するってどーゆーこと?ってw
気になって気になって仕方なかった。
だから期待しかない状態で鑑賞に臨んだ。
マジでスゲかったです、移動都市。
少なくともタイトルロゴがドドーン!って登場するまでの冒頭の掴みが超絶的。
口がぽかーんと開いて閉まらない現象ってホントにあるんですね。
驚愕の一言。
この冒頭十数分だけで1800円払う価値がある。
巨大なマシーンのような移動都市がトランスフォーマーごとくガシガシ変形して、巨大な車輪をグルングルン回転させて、大地をドカドカ走り回るのだ。
カーアクションと言っていいのか分からないけど、とにかくド迫力すぎて凄いわけです。
作り手の意欲と創造力とテンション。
そのほとんどをこの冒頭の表現に使い果たしたと言っていいと思うw
金持ちの大国が、貧しい途上国に資源目当てで戦争しかけるという構図を移動都市同士の戦争に見立てるのは頭がいいメタファー。
壮大な世界観は本当に良く作りこまれているし、アクションシーンも多彩で盛り上がる。
主人公は良く描けているし、演じる女優も魅力的。
ヒューゴ・ウィービングさんに至ってはいつも通りw
エージェント・スミス、Vフォー・ヴェンデッタには負けるけど、あのビジュアルと台詞回しは重宝。
ただ、全体的には陳腐極まりないわけですw
よくあるディストピアな終末ストーリーが雑に展開するだけなので、映画としては冒頭が最大の見せ場w
最強なクライマックスが最初で、その後は文字通りモータル・エンジン自体が失速していくw
主人公以外にマトモに描写されたキャラクターがいないのも致命的。
相棒的キャラの男にはイライラさせられるだけだった。
都合よく登場するキャラクターが、都合が良いだけの必然性の無さとキャラの薄っぺらさとかガッカリする。
唐突にターミネーターのような敵が大暴れするのも強引すぎてちょっとピンと来ない。
主人公との複雑な関係性も説明されるが、後でムリヤリ書き足した感が否めないので冷めてしまう。
移動都市というせっかく独特のコンセプトが思っていた以下でしか活かされないし、後半の戦争はただのスター・ウォーズの焼き直しプロット。
そんな感じで不平不満がワンサカ出てくる作品だが、すでに触れたようにもちろん観る価値がある。
モータル・エンジンが全速力で爆走する冒頭だけは見逃して欲しくない。
これまで指摘してきたあらゆる欠点を帳消しにするほどの圧倒的ビジュアルショックに興奮すること必至。
ぜひ映画館で!