これはね、オレが『ブレイキング・バッド』大好きだから観ました。
やっぱ面白かった。
ちゃんとシーズン5の続きの話になっていて、分からない人には一個も意味が分からないように作ってるファンのための作品。
ファンへのちょっとしたサービスみたいな作品ですね。
ジェシー・ピンクマンが殺戮現場から逃げた直後からの出来事を描いているんだけど、警察から逃れるためにまたしても危険な人たちと向き合うことになります。
本人も危険だけどw
ジェシーの現在の逃亡劇と囚われていた当時の地獄がフラッシュバックで蘇ります。
いつものメンバーがいろんな形で顔を出してくれて、ファンとしてはありがたかった。
無残に死んだキャラとかもちゃんと律儀に登場してくれた。
一部の人は肥えすぎていて、同一人物として頭の中で繋げるの大変だったけどw
でもまぁ、間違いなくブレイキング・バッドをやってました。
ドラマ作ってたヴィンス・ギリガンさんの演出と脚本ってことなんで、安心感のある内容になってました。
ちゃんとした「ブレイキング・バッド」をやっていた。
スケールとしてはこじんまりとした犯罪スリラーだが、「らしさ」が明確にブレイキング・バッドだった。
なんつーか、独自の緊張感の間合いや取り方というか、あらゆるシーンで一瞬一瞬に殺気や恐怖がある。
なんてことのない体でのセリフのやりとりなんかもいちいちハラハラするのだ。
ユルくなりそうな何でもない場面でも常に気が緩めない。
空気の張り詰めた状況から違和感なく笑えるオチへと展開させる辺りとかも上手すぎる。
ロバート・フォースター登場の電気販売店でのシーンとかメチャクチャに最高ですからねw
本作は映画的にドカーンと盛り上げていくような作品じゃなくて、なんかこー、ドラマから受け継がれたテンションがそのまま腰を据えて健在してた。
犯罪映画なので激しい描写なんかもあるが、高度なさじ加減で調節しながらブレイキング・バッドの世界観優先で理性的に進行していく感じですね。
理性的でありながら、同時にとんでもなくお腹がキリキリする怖さがある。
頭のおかしい人間の精神のおぞましさやその日常に巻き込まれる異様さとかには本当にブルブル震撼。
次の瞬間に誰かが殺されてもおかしくない不穏さで覆われている。
キャラクターの描き方とか筋の運び方なんかも含めてヴィンス・ギリガンじゃないと作り出せない芸術作品。
この人は、ちょっと突き抜けた非凡さありますねやっぱ。
傑作でした。