『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』
完全なる密室で起きた愛人殺しの容疑者と反証のために呼ばれた敏腕弁護士によって遂行される事件の再検証。
容疑者の口から語られるもうひとつの殺人とその隠蔽の事実。
同じ事件が違う視点で巧に語られて、鑑賞者を翻弄させてきます。
誰が犯人で、何が真実なのかってことで、久々の本格ミステリーでした。
実は途中で、胸騒ぎというか、野性の勘というか、ピンときたんですよね。
ビリー・ワイルダー師匠のスゲー昔の映画をなぜか思い出しちゃって、タイトル言ったら分かるけど、そのネタの通りだったのでマジで腰抜けましたw
でも、最後まで観ないと分からないわけで、でもやっぱりそうだったので本当にビックリしましたw
そうだとが思っていたことが目の前でまんまとそうなっていく最後の3分のゾクゾク感。
サスペンスすぎ。
まさかまさかまさかー!って高まって、そのまさかが実現された瞬間は快感でもありましたね。
たぶんあらゆる場面にヒントあったはず。
凄まじく練りに練られて考えに考え抜かれた作品なので、二度観、三度観で発見する楽しみあると思います。
オレはもう一度で十分ですw
思い返せば、画面いっぱいに「あの人」がドデーンって出てくるわけですから、リスクの高い大胆な仕掛けだったよなぁ。
ネトフリのタイムトラベルミステリー『嵐の中で』の監督ってことらしいので、至る所で細かい作業が見受けられ、なるほどな出来の良さ。
仕掛けを仕掛けだと思わせすぎていた『嵐の中で』より監督のやりたいことがクールに決まってました。
かなり出来すぎな話ではあったけど、このミステリーに興奮しないヤツはいないでしょう。
参りましたw
降参!
『ビリーブ 未来への大逆転』
なんとニュースでやってました。
主人公ギンズバーグさん、死んじゃったとか。
90歳近いのにまだ現役で活躍してたなんて凄すぎますw
マジでご冥福お祈りします。
まだまだ男性優位社会バリバリの昔な70年代に、優秀すぎる脳と超人的な努力でハーバード法学部入学、コロンビア大学主席卒業したにも関わらず、女であるという理由でどこぞの法律事務所にも雇われず、止む無く大学教授になったギンズバーグさんが人生駆けて挑んだ性差別裁判を基にしたサクセス実話。
観てくださいこの映画。
ギンズバーグさん、こんな凄い人いないって。
大学時代からすでに人間として素晴らしすぎてました。
同じ大学に通う旦那が重病に倒れるという不幸に見舞われても、看病しつつ旦那の分まで講義に出て、なおかつ自分の勉強もしてて、しかも赤ん坊の育児もしなければならない。
この困難な状況を生き延びるなんて強靭すぎ。
尊敬しかないですね。
目的意識も明確であり、知性と行動力は男以上であり、必要なのはチャンスなのだ。
男女差別という現実がギンズバーグさんの障害となって立ちはだかる。
ギンズバーグさん、法律家という観点から男女差別に一石投じます。
法の下での男女差別の理屈が当たり前とされていた悪しき伝統に一発ブチかまして、ガチガチの偏見に侵食された法制度に変革をもたらした偉大なる先駆者ルース・ベイダー・ギンズバーグ女史。
こんなにまで人は死ぬ気で頑張れるなんてどうしても自分には信じられないけど、実在の人物の実話なんだから信じるしかない感動作です。
やっぱ人間としての本気度が違うよなぁ。
男性は外で稼いで、女性は家で主婦業やってろってゆー考え方が通例の価値観だった時代に、ギンズバーグさんは弁護士やってたわけですからね。
様々な男女平等を求める裁判で経験積んで、後に女性初の最高裁判官にまで昇り詰めたという人類の中でも男女を問わず、かなりのレベルで超人ですw
最高に胸のすくようなギンズバーグさんの性差別思想に対する信念の戦い、確かに見せてもらいました。
『ビリーブ 未来への大逆転』は上質なドラマ映画でした。
そりゃ傑作でした。
タイトルはもー、なんかやる気ゼロですけどね。
観て欲しいという気持ちがまるで感じられない。
にもめげずに、本作は凄く面白いです。
たぶんミミ・レダー監督では、一番ちゃんとマトモに作った作品w
何かが抜けて秀でてはいないけど、演技も話も良くて、別に注文付ける部分ないです。
観て良かったと思えました。