『ドント・レット・ゴー 過去からの叫び』
両親とともに殺されたはずの姪っ子から電話がかかってきちゃって驚いたけど、過去と現在が何らかの理由でリンクしたらしいので、刑事と姪っ子が協力して事件を未然に防ごうと活躍するSFスリラー。
親子のように仲が良い姪っ子と叔父さんという珍しいパターンの関係性を描きながら、スマホでのやりとりのみで事件を各々の世界で並行捜査していくという現代の『オーロラの彼方へ』でしたw
こんな不思議なことがなんで起こるのかは一切わかりませんw
そこは神のみぞ知るわけですが、こんな感じでサクッと軽くタイムリープが起きちゃうのが映画。
この手のタイプリープのサスペンス映画はだいたい全部面白いよね。
本作もちゃんと面白かったが、どーも遠慮気味というか、何かが特段優れているということではないんですよね。
小道具の使い方でタイムパラドックスへの配慮は見られるが、話がイマイチ冴えてないというかね。
ドラマが限定された黒人コミュニティ圏内で展開し、ほぼ黒人俳優のみのキャストで作られたという点においては今を映した作品。
スマホで二つの世界がつながるという設定も同じ意味で良かった。
ただ、主人公に起こる現象であまりに分からないことが多すぎるし、「なるほどね!」とはならない脚本のバツがどーも悪い。
要所でもやもやを残しつつぼんやりと展開していき、なんとなく上手く丸く収めて解決したような終わり方でまとめるが、やっぱり胸の閊えが治まらないのだ。
タイムリープやタイムトラベルの映画ってスリラー以外でも傑作の宝庫だけど、共通して言えるのはどんだけブットんでいても脚本が抜け目なく優秀だってこと。
本作は悪いとは言わないが、絶賛するまでは辿り着けなかった。
だから、まぁまぁって感想になってしまうw
ジョーダン・ピール作品や『インフィニット』『ブラック・クランズマン』とナウい黒人演出が得意なブラムハウスなのでとりあえず観てみました。
『リズム・セクション 復讐の銃弾』
飛行機事故で死んだと思っていた家族が実はテロで殺されたことを知ったジャンキーで娼婦のダメ女が、スパイの特訓して、犯人に復讐するスリラー。
これはさらに冴えがなかったですね。
相当ノロマ。
音楽でカッコつける作業に依存して、全体的に気取りすぎなのがイライラしました。
見た目を取り繕うだけの浅はかさが癪に障るし、話は本当に退屈の極み。
ただの一般人が凄腕スパイになるための特訓シーンに前半相当な時間を費やしておきながら、まるで意味のなさない後半。
ストーリー上、主人公は成長したということにして体裁だけ整えていたが、鑑賞側には伝わってこない。
どう考えてもスパイとして使えるはずもないド素人能力から微塵も成長していないのだ。
だからこそ、映画自体の説得力もクソもない。
なんつっても、本作のブレイク・ライブリーはほぼゾンビ。
全然アクションできないし、ブサイクすぎるし、キャラクターもつまらない。
ブレイク・ライブリーが彼女のキャリアで最も魅力的じゃない作品でした。
監督が何をやりたかったのかまるで分らないし、演じてる役者たちもどう演じていいのか分からないような印象。
復讐映画のカタルシスもなければ、スパイ映画としても一個も成り立っていない。
予告編以上の作品ではないです。
予告編がこの映画のピークです。