『トゥルース 闇の告発』
90年代の紛争後のサラエボに国連維持活動の監視ミッションとして民間軍事会社から派遣された警察官が、現地で法もクソも無視して横行する人身売買の実態にドン引きしまくるのだ。
マトモな人格者がほとんど皆無の無法地帯。
アホと差別主義者とキチガイだらけの腐れた現地警察なんぞが職権濫用のやりたい放題で、犯罪野放しの法治国家ならぬ放置国家。
ほとんど味方ゼロの絶望的状況で、正義の熱血警察官レイチェル・ワイズさんの孤独な戦いが切ないし、空しかった。
少女たちがおぞましい性奴隷させられる人身売買ビジネスがとんでもない巨額を生んでいて、誰もが加担し合っていて、現状を修正できるヤツがいない。
国連さえ見て見ぬフリ決めこむ腐敗っぷりに失望。
弱者を食い物にして、見捨て、救済できない無能システムを告発する映画。
「国連死ね」って真顔で冷静に思わせてくれた傑作な実録サスペンスでした。
これが本気の実話だとしたら、もう国連なんぞに対しては見下げた見方しかできなくなるので、国連への一方的な嫌悪感を強く抱きながらこれからの人生歩むことになりますワロタw
現地の無能警察を始め軍関係者、国連スタッフに至るまでみんなで犯罪組織とグルになって少女騙して、誘拐して、拷問とレイプ繰り返してたし、世界のどこかでは今でもしてるに決まっているわけですから、世の中の暗部に目を背けて隠れるように生きているオレをどーか許してくださいレイチェル・ワイズ様。
いや、マジで平和をどうにかもたらしてください頼んますってことでどうかw
いやー、恐ろしかった。
暗澹たる気持ちにさせてくれて、最後の手段で「内部告発者」となった主人公の怒りもひしひしと伝わりました。
いい映画だったですはい。
『ザ・クリミナル 合衆国の陰謀』
面白かった。
邦題はB級アクションみたいですけどねw
国家保安を危険にさらしたって理由で、大統領暗殺未遂事件に関係するCIA局員の正体を報じた暴露記事を書いたジャーナリストが、国家権力に嫌がらせされる話です。
記事の情報源を教えろ、教えないと投獄だぞって脅されて、それでも教えるつもりないので投獄されるのだw
なんつっても、それがジャーナリストだからってことですね。
情報源をとっとと教えるジャーナリストなんて誰も信用しません。
ジャーナリストの鑑すぎるせいで泣けるほど辛い目に遭うけど、やっぱり超絶美人なケイト・ベッキンセールが最高にイイ女でしたw
拘置所に1年以上ブチ込まれて、住む世界が違いすぎる犯罪者だらけの所内で死にかけるし、子供は知らんぷりの上、結婚生活は破綻しても、それでも国の勝手な言い分には従う気ゼロ。
絶対に言うこと聞きませんw
凄い人でした。
なんでそこまでして頑固なのってどうしても思うんだけど、ちゃーんと自分を犠牲にしても言えないこれ以上ない理由があるのだ
それが明かされるラストには誰もが納得するしかありませんでした。
涙。
実際の記者さんの実話からインスパイアされたスリラーってことでスゲー見応えありました。
監督ロッド・ルーリーさんということで、女性初副大統領候補の議員が学生時代の乱交疑惑で矢面で追及される『ザ・コンテンダー』と同じく主人公が答えるべきじゃない質問には絶対に答えないのだ。
信念曲げずに、頑固一徹を守り続けます。
その意味を常に考えさせる作品。
周囲の言葉や感想にホイホイ乗らずにブレない自分を持っていてカッコいい主人公を描かせたらロッド・ルーリーさんはかなりの優秀。
『ラスト・キャッスル』とか最高傑作だったもん。
マット・ディロンの憎まれ役も上手すぎて100点満点w