時代設定がいつなのかちょっといまいちわからなかったけど、そんなに昔でもなく、現代でもないんでしょうね。
カリフォルニアのどっかの街で女性ばっかが猟奇的にブチ殺される悲惨な連続殺人あって、捜査も進まない中で、田舎保安官代理を務める訳あり過去黒歴史がどこか心に闇を落としてるかつての凄腕刑事がたまたまやってきてて、出世したい野心的な巡査部長と協力して解決に挑むという事件物スリラーです。
これはただただ役者を堪能するためだけの作品ですね。
演技という芸術を嗜む人なら最高級の作品だと思います。
何も解決しないし、誰が犯人なのみたいなことはどうでもいいので、そーゆー風に作ってますw
デビッド・フィンチャーの『マインドハンター』も『ゾディアック』も好きなので別に気になりませんでした。
デンゼルがいつもの感じのドスンと貫禄と凄みの眼光で、善人のようで真っ暗にドス黒いもんを腹に抱えていて、あんまり深入りしないほうがいい感じを出してますw
もうこの人はデンゼルなので、何も言うことないんですけどね。とにかくデンゼルでした。どこをどう撮ってもデンゼル。デンゼルここにありき。
ラミ・マレックさんは一番マトモな役なのが意外でしたw 何かあるんじゃないかって勝手に推測してたけど、あの面白すぎる顔が相変わらずズルいよね。犯人捕まえてやるって気持ちに夢中になりすぎて、デンゼルの闇にも浸食されかけの危うい橋渡ってました。
ジャレッド・レトは間違いなく犯人ですw ただ、本作のポリシーとして「犯人です」とは提供されないだけですw 犯罪マニアという趣味や状況証拠を見ても、見た目も話し方も気持ち悪いし、女の死体で勃起するという性癖の時点で犯人なんだけど、決定打がないのでデンゼルとマレックさんを翻弄する役回りで頑張ってましたよ。
目のくぼんだ長髪でデブの汚い風貌で、ノロノロとストリップクラブに出かけ繰り出す姿なんかは、あえてジャレッド・レトが好き好んでやりそうな変態芸で、楽しく拝見しましたw
この3人が演技合戦みたいな感じで迫力出してきてて、画面は常に緊張感ありました。
ジョン・リー・ハンコックさんにしては初めての本格的な人殺し事件の陰惨な作品になってます。
時々、ゾッとするような怖い演出や光や影用いた印象的なショットありましたね。
なかなかダークすぎる世界観で、自分の犯した取り返しのつかない罪や暗い部分に向き合って潰されずにどうにか生きないとならないよねとかそーゆー終わり方になってます。
何が起きて、誰がやったのかスッキリと明白に終わる話じゃないと嫌な人には向かないけど、作品として刺さる人には刺さるので、そこそこ映画好きな人向けかもしれないw
興味ある人はぜひ。