『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』

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チンケな車両窃盗で捕まったら、FBIに足元見られて、起訴しない代わりにブラパン党のイリノイ支部に潜入させられ、最近グングンとリーダーシップを高めてきてる議長ブラックメシアさんに対しての、精神ギリギリの生きた心地しないブラックユダさんによる同じブラザーへの裏切りとも言える嫌な後味のアンダーカバーが描かれます。

なかなかの重苦しく、シリアスな実話物。
60年代、ブラパン、FBI、潜入、暗殺と何やら嫌な時代の嫌な事件ってことで、ただごとじゃない話なわけで、題材的に好まれそうなアカデミー賞にもちょっと絡んで、ちゃっかり受賞までしちゃってたりする作品とか。

にもかかわらず誰も知らないし、レンタル屋にあるので勝手に見つけてくださいみたいなナゲヤリさw

扱いが酷いw

面白かったですよ。ちゃんと。

似た感じの『ブラック・クランズマン』ありますが、スパイク・リーが腹の底では怒りながらもエンタメ性高く、KKKをバカにしたブラックコメディな作風なのに対して、シャカ・キングはストレートに丁寧なドラマを積み重ねてました。

メチャクチャ真顔で、人種差別に激おこしてましたw

ブラパン党を筆頭するカリスマ性高く、スピーチの才能爆ありのバチバチに切れ味鋭い言葉の使い手、心掴むパワフルな詩人にして、あらゆる人種のあらゆる政治的抑圧に苦しむ小市民、貧民の怒りと不満を受け止め、暴力ではなく建設的な活動で、希望溢れる未来を創ろうと「理念」で闘った黒人解放運動の指導者ダニエル・カルーヤさんが名演技。

民衆への責任や使命感で闘ってきた彼が、妻や生まれてくる子供の存在を意識した時に、その信念がさらに揺るぎなく、もっと強固になる。

潜入バレても地獄だし、バレなくても地獄続くだけで、不遇で不憫すぎて潜入者ラキース・スタンフィールドさんの居た堪れない心境にも同情。

途中からカルーヤさんの人間性に惹かれて、思想に共鳴しちゃってきてて、心苦しい潜入が辛くて大変そうだった。

カルーヤさんが腰抜け警察権力によって寝込み暗殺されるまでの日々を、潜入者ラキース・スタンフィールドさんのどうするべきかこうするべきかって葛藤中心に描かれるサスペンスフルな緊張感凄まじい実録ドラマ。

裏切りの代償がだいぶ悲しすぎてました。

この二人の『ゲット・アウト』組が、またしてもやってくれて、なんか役者としてネクストステージ上がった感じありますねw
確かな演技力で見事としか言えません。

ブラックメシアさん。

昔誰かが言ってた「人間は滅びるが、理念は死なない」を証明した人物だったのかもなぁって思いました。

そんな人格者を失礼にもテロリスト呼ばわりして、逆にオメーらの方がテロリストだろと言わざるを得ない卑劣な地元警察、FBI側の人でなしっぷりにオレもシャカ・キングと一緒にプンプンと激おこしましたw

潜入者さんをユダにさせちゃうFBI捜査官役の『ブレイキング・バッド』のジェシー・プレモンスがこれまたね。
あの人、嫌な役上手いから余計にイライラするわw

傑作でした。

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