『竜とそばかすの姫』

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なんだかあまり良い評判聞かなかったので、どうなんだろうと不安もあったが、これはマジで傑作でした。

映画館で観るべきだったし、IMAXで観てたら、たぶんその年のナンバーワン映画決定でしたねw

アマプラありがとうってマジで感謝したw

細田守のこれまでの歩みの集大成みたいな堂々たる作品でした。

『おおかみこどもの雨と雪』でも相当泣いたけど、それを超える涙流れました。

とにかくこれはメチャクチャ泣けますわ。泣けて泣けて仕方ない。泣くためにまた観たいですw

細田守の作品の中で群を抜いて一番の感動作。

『未来のミライ』は観てない今の時点では、『竜とそばかすの姫』が断然の超絶ベスト作。

幼い頃に水難事故で最愛の母を目の前で亡くしたショックから立ち直れない主人公すず。事故以来大好きだった歌も歌えなくなるが、ある時から始めた仮想空間「U」の世界では、歌姫ベルとして一躍世界中から注目の集まる人気者になるが、突如として現れた「U」の平和と秩序を乱す破壊行為を繰り返す竜の存在がすずを惑わし、思わぬ事態を招いていく。

仮想空間でベルへ投げつけられる辛辣な言葉や中傷。

母親を失って自分も見失ってしまった残酷な現実。

そんな現状にもめげずにすずは歌います。

「U」で疎まれて忌み嫌われる竜に隠された哀しい真実。

その真実を知った時、歌がすべてを変えます。

ベルというアバターに守られる安堵の元でこそ、心置きなく歌うことが可能だったすず。

その大切な鎧を脱ぎ捨て、自らの決断でアンベイルして、ベルではなくすずがすずとして歌いあげるクライマックスは冗談じゃなくアニメ史に残るシークエンスで、ブルブルと震えました。

これに震えない人はいないでしょう。

亡くなった母親が身を呈して体現し、遺した精神。

すずは歌う。それは自分のためじゃない。他者のため。母親がそうしたように。

だから、歌うしかないのだ。

「すず歌え!」と後半は大応援鑑賞しましたw

色々と辛く苦しいこともあるけども、すずには歌があるわけですから、歌い続けろと思いました。

『コーダ あいのうた』に続いて歌をテーマにした2作品を続けて観ました。

実写とアニメで表現も意味合いもアプローチもまるで違うけど、どちらとも歌が何よりも核であり、最も重要な表現になっていました。

『竜とそばかすの姫』は特に歌うことがストーリーを描くことであり、歌うことがすずというキャラクターを描くことになっていました。

歌うことで物事は大きく展開し、歌が主人公が母親を亡くしたことで抱えている寂しさ、孤独、自分をしまい込んでしまったことへの悔しみ、それでも優しさがゆえに生まれる他者への共感といった内面の闘争を雄弁に表現していく。

その演出力が圧巻で、男なら黙って泣くしかないので泣きましたね。

歌って自信も勇気も取り戻す疾走そばかすヒロインが最高な『竜とそばかすの姫』をオレは観たんですマジで!w

感受性の高い若い世代ならではの迷い、踏み出していく自己、広がり変容していくネット世界という社会性、映像にもストーリーにもまっすぐに感情に訴えるパワーがあって、細田守は自分が描き続ける作品力を信じているんだなってつくづく思いました。

逞しく成長するキャラクター、美しく心揺さぶるストーリー、ゴージャスで奥行き豊かな仮想空間の映像美、ロマンティックでファンタジックな世界観。

断言します。

『竜とそばかすの姫』は間違いなく細田守の最高傑作でした。

細田守らしさにかつてなく映画表現として溢れ出た一番好きな作品です。

絶対に支持します。

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