まさかの驚くしかないとんでもねー実話。
イスラエル諜報局、海軍によって実際に実行されたエチオピア難民救出計画を描いたサスペンス。
やっぱ実話って作り話より奇天烈すぎる。
実話だとは信じられない想像を絶した話多すぎワロタw
危険地帯から民間人救出する話と言えば『アルゴ』がありますが、『紅海リゾート』も負けずにその計画内容が大胆かつ無謀w
紅海リゾートってのはホテルの名前です。
でも、偽物のホテルなんだよね。
表面上はホテル業を装いつつ、紅海に面した地理的な有利性を利用しての大規模な難民救出なのだ。
だけど、ホテルが実際に評判になって、普通に観光客を宿泊させて通常運営しちゃう辺りが面白いw
イスラエル諜報局のプロのスパイチームが、なぜか遠路はるばるアフリカのホテルでせっせと接客業してるというねw
隠れ蓑として澄まし顔で営業しながら、夜な夜な難民をトラックで運び、海から逃すのだ。
これがまた最初が奇跡的に上手く行ったので、この驚愕の計画がなんと何年もバレずに続くんだから凄い。
でも、そんな状況が永遠に続くはずもなく、冷酷な秘密警察に目を付けられるのだ。
後半はヒヤヒヤしっぱなし。
もーね、いつ見つかって皆殺しにされるかわからないわけで、スリリングすぎる脱出サスペンスが展開。
『紅海リゾート』はつまり、「困っている人がいたら助けましょう」って映画で、その気持ちがストレートに響いてくる作品になっていた。
難民というテーマがまさに過去から現代まで繰り返されている今そこで起こっている悲劇であり、映画として脚色され英雄談的な作りではあるが、やはり現実の問題として鑑賞側に対して素直に訴えるモノがある。
実話としてマジメに考えさせてくれて、映画としては分かりやすく構成され、エンタメ性も高い。
主演がクリス・エヴァンスさんというのも計算高い。
向こう見ずで、頑固な正義感の強いリーダー役だが、どうしてもキャプアメさんを想起させる。
あらゆる言動がキャプアメさんと被るので、なんかニヤニヤして見てしまうw
難民を自分の身を投げうって救おうとする姿はカッコよすぎるが、その英雄的姿勢そのものがメッセージとして分かりやすく機能してる辺りが本作の頭の良さ。
クリス・エヴァンスさんは清く正しいアメリカン・ヒーロー的なイメージが強いが、役者としては実は結構器用だし、深みもある。
『ギフテッド』みたいなドラマ作品やポン・ジュノ作品、『氷の処刑人』での連続殺人鬼役のような渋い選択眼があって好感が持てる。
『紅海リゾート』もそんな彼のこだわりのラインナップに堂々と仲間入りを果たせる断然魅力的な作品だ。