これはね、スゲー面白いw
観るべきですね。
タイトルにビックリマークつけてる理由もちゃんと分かるw
なんつーか、スーパーヒーローをギャグにした趣で、その屈託のなさがほほえましいです。
シャザムさんのコスチュームがこれまた絶妙にダサくデザインされているのも意識的。
DCとして他の作品と世界観は共有はされているんだろうけど、作風が違いすぎるのでつながりは薄く作ってますね。
これまでは根暗で、深刻で、クソマジメな印象が強いDC組でしたから、たまにはこれぐらいヘラヘラとお気楽に振る舞うヒーローがいたほうがバランス取れるw
おどろおどろしい魔界の良く分からない勝手な都合に巻き込まれて、なんとなく流れで偉大なる神々の力を授かってしまった少年。
「シャザム!」の一言で、普通の少年がムキムキのオッサンに変身してしまうのだw
一方的に選ばれて、もたらせた責任感なんぞ知らんがなとばかりに、自由にシャザム!しまくる十代真っ只中の軽薄な日常。
シャザムさんのスーパーパワーの使い方が、基本的にその場のノリですよねw
軽い気持ちが先行で、ガキらしいしょーもない発想の悪フザけが数々w
アホで過激な動画をYouTubeにアップしまくって、そこで知名度を上げていくやり方も現代っ子ならではの手っ取り早い広報力。
そこら辺の通行人と写真撮ったり、パワー見せつけて、小遣い稼いだりする辺りもリアルな描写だったりするw
若いだけあって思考は柔軟で、素直なシャザムさん。
深いことは分からないけど、とりあえずヒーロー的な活躍をしちゃうわけです。
まさに子供らしい、子供だからこその精神で表現されるヒーロー像が面白すぎる。
ストーリーはテキトーなようで丁寧なのも好感。
コメディ路線なのでウケ狙いが基本理念なんだけど、「家族」ってテーマがブレない。
それがたとえ違う環境から集まった他人同士だったとしても、気持ちが本物であれば関係ない。
本作はそれぞれ違う形で家族を失った二人の少年が主軸。
一方は家族を受け入れることで、新しく家族を見つける。
自分中心だった心が、自分以外を愛することで強くなる。
一方は家族を否定し、家族を憎むことで、永遠に家族を失うのだ。
自分以外を蔑むことで、社会への敵意は増大する。
その蝕まれた心が、シャザムさんの前に恐ろしいヴィランとなって立ちはだかるのだ。
その対比も考えられていて、シャザムさんが向き合う初戦の相手として必然。
シャザムさんが見た目や能力の面だけじゃなく、ヒーローとして覚悟し、行動する物語でもある。
家族という存在がそうさせるのが泣ける。
そして、文字通り「独り」じゃないという締めくくり。
『シャザム!』は、フザけまくっておどけて見せているが、きっちりと描くべきことは描いていた。
つまり照れ隠しが上手いのだ。
必死で笑いを取らないと恥ずかしくて、こんな話はマジメに作っていられるかってのw
どこまでも健気。
それがこの映画。
DCエクステンデッド・ユニバースでは『ワンダーウーマン』の次ぐらいに好き。
ちなみに『アクアマン』は未見ですw