『嵐の中で』
嵐の夜にビデオカメラとブラウン管テレビで80年代最後の年と現在が自然の神秘でつながって、色んな人の運命がごちゃごちゃと狂うスペイン産タイムトラベル・ミステリー『嵐の中で』です。
これは良く出来てました。
良く出来すぎているぐらいに良く出来ていた。
あの場面の、あのアイテム、あの人の思わせぶりな言動。
ちゃーんと用意周到に配置されていて、後で「あ、こーゆー意味があったのか!」ってガッテンさせる。
でも、伏線が「これは伏線です」って言い過ぎという印象を受けた。
いちいち協調しすぎというか。
伏線作りがなんかウルサいんですよねw
優等生な脚本すぎるがゆえに、面白いんだけど逆に退屈にも思えて、どーも若干癪に障ったw
ラストまで本当に上手い具合にまとめて作ってました。
それなのに、なんかね。。。w
何が足りなかったのかなー。
理知的に考え抜かれた脚本より激しく訴えてくるような映画的な表現が欲しかったってことかもしれないです。
丁寧だったし、抜かりない話だったが、どうしてももうひとつ胸に響かない作品だったんですよね。
上手いこと作ってやろうって意識が出すぎてた。
「良く出来た映画」ってそれ以上でも以下でもないよね。
頭で作りすぎてるからだろうな。
ロマンがない。
そうなると、結局はハリウッド・リメイクした方がマシってことになるんだけどw
まぁ、面白かったけどねw
公式サイト
『ビフォア・アイ・フォール』
『嵐の中で』に通じる時間の中にとらわれる主人公が色々思い悩んで、自分に向き合い「正しい選択」をする話。
真面目で余裕がない『ハッピー・デス・デイ』と言ったらいいんでしょうかねw
ネトフリのタイムリープ・サスペンス『ビフォア・アイ・フォール』。
『ハッピー・デス・デイ』はただの軽薄なヤリマンだったけど、『ビフォア・アイ・フォール』は性格メチャクチャ悪くて、平気で虐めにも加担する胸糞な主人公。
『ミーン・ガールズ』に近い人気女子でがっちり固めた意地悪グループに属するタイプですw
言いたいことは『ハッピー・デス・デイ』と同じなんだろうけど、本作はどーもユーモアもないし、まるで教会で礼儀正しく聞かされる牧師の説教のような内容のメッセージで押してきます。
家族という価値観、隣人愛、自己犠牲、魂の救済とかね。
何度も同じ朝に起きて、同じ日を繰り返せば繰り返すほど、これまでの「自分」を客観視させられる羽目になるわけですね。
でも、どんだけ意識的に異なった発言や行動を選んでも、結果は同じだし、時間からも抜け出せないのだ。
たぶん神の啓示によって改心する話でしょうねw
悪い心に道を示し導くみたいなね。
なんかクソ真面目にやってましたw
エンディングについては素晴らしかったと言えるのか分からないけど、主人公が心底納得してた辺りもやっぱアメリカ的なそーゆー思想に基づいた印象受けました。
主人公が可愛かったし、演技も良かったので楽しめましたし、泣けたしね。
ただ、面白かったというより、これは「キレイ」な映画でしたw
たぶんいい意味だと思いますw