あいやー。。。なんともやりきれない話でした。
低所得の下級階層、社会の底辺、財布には多い時で5000円入っているかどうかの虫けら弱者の貧困中年男性の筆頭格であるオレ。
そんな蔑むべき、誰の目にも止まるべきじゃない不憫な生活状況に苦しむ本人がこんな身につまされる映画観ちゃったもんだから、本当に涙も出ない絶望に落とし込まれ、自暴自棄の塊になってしまいました。
立ち直れん!
それぐらいの威力のある可哀想すぎる悲劇がコレです。
プライムローンの返済滞納者の物件差し押さえ転売ビジネスで悪事に手を染める男たちを緊迫感満点で描き出してて面白い。
おっかない形相で突然やってきては、一方的な御託ノタまって、我が家を安く買いたたいて売却益で稼ぎまくる獰猛で冷酷な鬼不動産ブローカーを演じるマイケル・シャノンが迫力ありすぎ。
死神にしか見えなかったもんw
正しい生き方を切望しながらも家族の生活のため、自らも返済滞納で失った我が家を取り戻すに、悪徳商法で同じ弱者から夢も希望も奪う道を行く、行かざるを得ない地獄に飲み込まれて自分を見失っていくアンドリュー・ガーフィールドさんの熱演も見物。
役者の名演技が光る『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』。
フィクションだからあくまでもドラマティックで映画的な構造になっていますが、経済危機到来後のドリームホーム差し押さえで路頭に迷う貧困層の無力に嘆く姿がリアル。
心痛極まりない。
容赦なく、無慈悲に法の執行で強制退去を迫られ、手荷物だけ持って近所のモーテルに仮住まいというドリームホームなんか幻だったんだよという信じがたいナイトメアな現実に暗澹たる気持ちになる。
成す術なく家を失ってしまい、途方に暮れる人々が次から次へと映し出されていき、辛くて辛くて仕方ない。
この残酷すぎる仕打ちに「絶対に間違ってるよねこんなの!」という作り手の怒りが正々堂々と主張されるのがラスト。
多少甘めだが、映画による正義という意味も込められていて、映画らしいラストだった。
いいラスト。
つーか、オレなんかはドリームホームどころかドリームワンルームアパートメントさえ無理なんだから、そこが一番切ない!w
打ちのめされてもうダメですオレは!